りらっくママの日々

りらっくママの日々

2008年03月30日
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カテゴリ: 映画
「タイムマシーン」


私と同じ会社にいた頃の、
一番彼女に似合うと思っていた髪形だった。

「この髪型がすっごく似合うよね。」

「そう?子供の頃からいつもこれだよ。」

彼女が笑う。
変わらない笑顔だ。

だけど、
毎回会う度に大きくなる私達の子どもが、
年月の流れをあらわしている。

見た目だって、
もう決して学生と聞かれることは無いだろう。

お互いの近況をレストランで話し、
彼女の家に向かった。

子供たちはもう、
親がいなくても安心して遊んでくれている。

彼女は娘。
私は息子。

男女関係なく遊べる時間は、
あとどれくらいなんだろう?

持ってきた小さい人生ゲームは、
息子が有利に進めたらしい。

彼女の娘はクールに、
「面白い?」と聞かれて「つまんない」と答えた。

違うもんで遊びなよ、と、
結局体を使ったテレビゲームに落ち着く。

彼らを見ながら私たちの話題は、
共通の趣味である読書や映画に移る。

「感受性が薄いって言われたことあるよ。
実際そんな気がする。」

私が言う。

「感受性?そう?」

彼女が尋ねる。

「ピアノレッスンって観たことある?
最後のシーンでピアノを捨てるシーンあるでしょ?
ほら、紐に手だか足を出して。」

彼女が私を見て頷く。

「女って欲深いんだな~って思った。って言ったら、
同じ部署の男の先輩にそう言われた。」

彼女は笑いながら言う。

「感じ方なんて人それぞれでいいよねえ?」

大真面目な顔を作って、私から目を逸らさない。
コレが彼女だと思う。

「そりゃ、そうだよねえ?」

「そんなこと言ったら、タイタニックの感動したところってあるじゃない?
あれ、私どこだと思う?」

「何よ?どこよ?」

私がワクワクしながら聞く。

「楽団が最期まで演奏し続けるところ。」

彼女が顔をクシャクシャにして笑い、
私も笑い過ぎて涙が出てくる。

「確かにアレは素晴らしい。」

「でしょ?ディカプリオたちじゃなくたっていいのよ。
何だっていいの。」

ああ、相変わらずだ。
と私は思う。
きっと今は箸が転がっても可笑しいだろう。

つまらないことでも、
何だか可笑しいんだ。

場所が社員食堂から彼女の家のコタツに移り、
話の内容が職場からPTAのことに移ったとしても、
私たちは相変わらずだ。

お互いの中に、
変わらない自分たちがいるのがわかる。

タイムマシーンに乗って、
あの頃の自分に戻って、
あの頃と変わらない、
つまらない何かを語り合っている。

時間が来たので家に帰る。
まるでまた来週会えるかのように、あっさりと。

今夜のテレビ映画は「タイタニック」だった。

観ていて思う。

私が感動したのはどんなシーンだっけ?

当時の記憶が蘇る。
このシーンもあのシーンも覚えている。

私もいつか、
愛する人との思い出を、
老婆になって思い出すのだろうか?

次に友達に会った時に話したいことがある。

私の感動シーンもディカプリオじゃなかったんだよ、って。

あの頃ならきっと、
週明けに彼女の反応が見たくて、
少しワクワクしていた。

今はそう思ったとしても、
彼女に話すことは無いんだ。

それが離れるってことなんだろうな。

でも、次に会った時は、
涙が出る位笑えるような、
また違う話をするんだろうな。

いっしょにタイムマシーンに乗ってね。











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最終更新日  2008年03月30日 13時15分13秒
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