りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年04月28日
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カテゴリ: オレとボク
今日の日記


「アイツとボク24」



ボクは赤木くんと初日の出を見に、二人乗りのリフトを登っていた。

「スキーに来たみてーだな。」
赤木くんは、ちょっと楽しそうだった。

カリナといっしょに見に行った初日の出を思い出す。
でも、それはもう、かなり以前の記憶になり、
ボクの気持ちもそれほど波立たない。

そんな気持ちで赤木くんとココに来れたことが、
何だか嬉しかった。

リフトから降りると、
登りの途中、休憩できる広い道には、出店が出ていた。
テキヤのオジサンを見た赤木くんが、嬉しそうに声をかける。

「イチのオジサン!どうしたんですか~!」

「あれ?おー!シンちゃんか?!いや、商売やってんだよ~。
初日の出、見に行くのか?
ほら、コレ、友達の分もあげるよ!」

イチのオジサンと呼ばれた、いかにもテキヤっぽいオジサンが、
赤木くんにワンカップを渡す。
赤木くんが嬉しそうにお礼を言う。

「知り合いなの?」
歩きながら、ボクが聞いた。

「親父の友達。小さい頃、釣りに連れてってもらったんだ。
親父の友達、怪しいのばっか!
でも、すげーな。こんなとこで会えるなんて!」

赤木くんは嬉しそうに目を細めて、ワンカップで手を温める。
道理で釣りも好きだったりする訳だ。

「オレたちも、あれ位の歳になるまで、
ずっとバカやってる友達でいてーよな!」

「いいね~、それ!」

ボクもワンカップで手を温めながら、
嬉しくなって頷いた。

遠い未来、ボクらは、どんな大人になっているのだろう?


カリナと歩いた道をたどる。
あの時、いくらでも告白するチャンスはあったんだな。

そんなことを振り返る。

頂上に着くと、チビチビ飲んでいた、ワンカップを持って乾杯した。
「就職決定おめでとう!!!」

「アオヤンは先生になると思ってたんだけどな~。」
赤木くんがしみじみと言った。

「いや、無理だな~って、教育実習でわかったよ。
一人一人、個別の方が、ボクには向いてるなって。
会社で生かせるか、わからないけどね。」

ボクらは企業に就職が決まっていた。
ボクは、幼稚園や、老人ホーム向けのソフト会社に。
赤木くんは、大手のメーカーに。

ボクは、小規模ながらも、いろんなことを自分でやれそうな、
この会社に魅力を感じてしまった。
親には、どこから、こんなとこみつけてきたんだ?
と、不思議がられた位、知られていない会社だった。

「そうだな。でもまあ、カテキョも実習もよくやったじゃん。
教え子に告られそうになったり、親にセマられそうになったりしながらも、さ!」

赤木くんが、ボクの言葉を受けて、思い出したのか、
ニヤニヤしながら言う。

「勘弁してよ~。」

ボクらは思い出してクククと笑う。

「赤木くんだって、バイトの女の子に浮気しそうになってたじゃん?
危うくさ~!」

「アレは、しょーがねぇよ。普通、あんな時期に、あんなにセマられたら、
どんな男もオチるでしょーが?」

「ボクは彼女がいたら、オチないねー!」

「ウソつけぇ!」

ボクらは笑う。

「いいよな~。赤木くんはサキちゃんいるから。
赤木くん、会社の寮に入ることにしたんでしょ?
距離離れてない?」

「まー、しょうがねぇよ。今は仕事に慣れる方が先だからな。
それよりアオヤン、同窓会の女の子は?
バレンタインにチョコもらって、何度か会ってたんだろ?」

「あ~、ダメだよやっぱり。
何だか、好きになる対象じゃないって言うか、
悪いから、会ってない。」

ボクはダメダメとばかりに手を振った。

「そっか。やっぱ、カリナちゃん、もったいなかったな~。
オマエ、奥手過ぎんだよ。」

ははは。と、ボクは笑った。

あ~、それは一番ボクがわかってる。
カリナに送った年賀状の返事は来なかった。

去年も友達として出してみたけど、やっぱり来なかった。

なので、今年は出すのをやめた。
仕方ないよな。
彼女なりのケジメなんだろう。

きっと、赤木くんは、ボクが誰とも付き合ったことないって、
思ってるんだろうな~。

まあ、それは、仕方の無いことだ。
赤木くんには、フジサワさんのことは打ち明けてない。

フジサワさんのことを思い出すと、今でも胸が痛む。
もらった時計は、今頃になってつけたり、つけなかったりしている。

初日の出が昇る。
少し雲がかかっていた。
雲が紫に染まっていた。

この日の初日の出も、ボクの中で思い出になる。
忘れられない、良い思い出に…。

「今年もヨロシクな!」
ボクたちは、笑い、山に近いボクの家にいっしょに帰る。
赤木くんは、車で来ていたので、母親が、一寝入りしていくよう勧め、
いっしょに部屋へ上がる。

起きたのは昼過ぎ。
母さんが記念に…と、ポラロイドでボクらの写真を撮ってくれた。
二回撮って、
一枚をボクに、一枚を赤木くんに渡す。

「いい感じだな~!」
赤木くんは、とても喜んでいた。
ボクも、こんなにいっしょにいれる友達が出来たことが嬉しかった。

母親は、ボク宛に来ていた年賀状を渡すと、台所へ戻って行った。

「オレのは、昨日出しといた~!」
「そうだと思ったよ。」

ボクは、適当に返事をしながら一枚の年賀状に目がとまる。

  明けましておめでとう。
  御無沙汰してます。元気にしてますか?
  無事に就職が決まりました。
  アオヤンはどうですか?
  携帯変えました。
  良かったら、連絡下さい。

「カリナちゃんじゃん!」
後ろから見ていた赤木くんが言う。

「何見てんだよっ!」
ボクは、照れて、くっついてきた赤木くんをふりほどく。

「アオヤン、すぐに連絡しろよ!」

ボクの顔は真っ赤だったと思う。
嬉しくて、顔はゆるんでいたはずだ。

「赤木くんが帰ったらね!」

「ズリぃ!今かけろっ!すぐかけろっ!」

「何がズルいんだよ!!!
うあ~!何てかけよう?!」

赤木くんが、まるで自分のことのように喜んで、ハシャいでいた。

あの時の笑顔。

何度思い出しても、ボクの心を温かくする。



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最終更新日  2010年03月27日 16時22分35秒
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