りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年05月17日
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カテゴリ: オレとボク
「アイツとボク31」




お互いの彼女とダブルデートをするのは初めてで、
ボクはちょっと緊張していた。
お互いに車を出して、目的地に向かう。

「ねぇ、アオヤン、あの人、駅で私達がみかけた人だよね。」

前を走る赤木くんの車の助手席の方を見ながら、カリナが言う。
カリナは昔、赤木くんが駅でサキちゃんとキスしたのを覚えていたらしい。

「そうだよ。よく覚えてるね。」

「うん。だって、何だかステキだったんだもの。
お互いがお互いしか見てなくて、
あんな恋したいな~なんて、思ったんだよね。」

「そうだね。」

ボクは頷きながらも、
赤木くんが悩んでることなんかを思い出していた。
人の恋は素敵に見えて、
カップルになれば幸せそうに見えるのかもしれない。

「ボクらもステキに見えるかもよ?」
ボクがおどけて言ったら、
「そうかな~?何か違う気がする。」
とカリナが笑いながら言った。

「こんにちは。サキです。」

駐車場で、車から降りてきたサキちゃんが言った。
サキちゃんは、気が強そうなキレイな雰囲気の女の子で、
ハキハキとしゃべる。
3人で飲んだことがあるけど、
自分とは付き合わないタイプの子だな~って思う。

「カリナです~!」
「青山です~!」
ボクがカリナの口調をマネしたら、カリナに肩を叩かれた。
それを見て、サキちゃんが笑う。

「アオヤンとは飲んだことあるんだよな?
カリナちゃんは初めてだけど。」

「いつもシンちゃんから、話を聞いてたから、
何だか初めて会った気がしないの。
青山くんからも聞いてるしね。」

サキちゃんが、ボクらを見ながらいった。
えへへ、と、カリナと笑った。

初対面でプールなんてどうかと思ったけど、
意外と楽しかった。
みんなでウォータースライダーに並びながら、
話をする時なんかは、
小学生の時に女子と話をする感覚に似ている。

ボクらは大人の歳に近づくようになってから、
意識しすぎて、
うまく異性と接することができなかった子供の時間を、
今更ながら埋めているようだ。

話をして思ったけど、
どうやら、サキちゃんは赤木くんに聞いていた通り、
更にバリバリに働いているらしい。

まだ新入社員のボクらからしたら、
本当に先輩っぽい雰囲気の話を沢山してくれた。

これじゃあ、いくらしっかりしている赤木くんでも、
タジタジかもしれないな…。


赤木くんが飲物を買ってきてくれる間、
カリナが質問した。
ボクはぼんやりと寝転んで聞いていた。
赤木くんといっしょに行けば良かったと思った。

「ねぇ、サキちゃんは、赤木くんと結婚とか考えてる?」

「うん~。
私は、あんまり結婚とかって、そんなにすぐじゃなくていいかな…って。
今は、仕事がようやく面白くなってきたし、
それに、子供産むとなったら、貯金もたくさんしておきたいし、
仕事が順調になってから結婚しないと。
子供を生んでからも仕事続けたいしね。
せっかく内勤になったんだし。」

「そっかぁ~。
私もまだ入社したてなせいか、まだ先かな~って思ってるんだけどね。
でも、サキちゃんみたいに、しっかり考えてないなぁ。」

「結婚したら、自分の時間無くなっちゃうと思うし、
今のうち、いろいろしておいたほうがいいよね。
特に子供産むと、時間無くなっちゃうと思わない?」

あ~、サキちゃんってしっかりしてる。

「そうね~。
今って、恥ずかしいけど、家事をみんなお母さんがやってくれてるの。
それと仕事…って考えると、ちょっと大変かも…。
サキちゃんはエライね。
ちゃんと、一人暮らししてて。」

「そうでもないよ~。
大変かもしれないけど、一人暮らしって楽しい。
やってみると、結構親のありがたみもわかるし、
料理も、自分の好みの味で作れるし、
誰も口出しされない生活もなかなかいいわよ。
いくらでも寝れるしね!」

ボクはどちらかと言うとカリナ寄りだ…。
どうしよう…、ボクら、すっごい子供じゃないか?

「私はまだ家出てないし、
子供のままだから、結婚が考えられないのね、きっと…」

「何の話をしてるんだ~?」
赤木くんが、トレーに飲物乗せて戻ってきた。

「二人とも、すごい現実的な話してんだよ。
結婚の話。」

ボクは、ようやく助けが来たような気分で言った。

「ふ~ん。」
赤木くんが興味無さそうに返事をした。

「サキは結婚に興味無いようなこと、言ってたんじゃないの?」

「そうでもないよ、ね~?」
カリナがサキちゃんを見て言った。

「現実的に、まだ先の話ってだけよ。」
サキちゃんが言った。

「まあ、オレも就職したてだしな。
もう少し給料上がらないと養えないし。
養うために就職したようなモンだから…」

赤木くんまで現実的なことを言い出す…。

「あら、私養ってもらおうなんて思ってないわよ。」

「出た!男女同権!」
赤木くんがサキちゃんに向かって言うと、サキちゃんがちょっとムキになる。

「当たり前じゃない?ちゃんと私が働いてる時は、シンちゃんも家事するのよ?
ねぇ、当然だと思わない?」

「そうね~。子供産んだり、会社辞めるまではそうしてもらおうかな。」
カリナがサキちゃんに同調する。

もうやめようよ、現実的な話は…。

「シンちゃんなんか、何にも作ったりしないのよ。
何もしてくれないし。
うちに来ても寝転んでばっかで…」

「うわっ!もう、耳が痛ぇ~!アオヤン泳ぎに行こうぜ!」

女子は女子で話が盛り上がってそうだ…。
ボクと赤木くんはビーチボールを持ってプールに行った。

もう、そこで何も考えずにボールで「アタッ~ク!!!」だのやってたら、
オバちゃんに当たって嫌な顔された。
ボクらはペコペコ謝り、それを期にチャプチャプ浮かぶ。

結婚なんて、まだまだ先の話だよ。
ボクはそう思っていた。

「ねぇ、赤木くんさ、やっぱりもう結婚とか考えてるの?」

「まぁな。何かあった時には、すぐ結婚する。
ってか、今すぐしてぇ!」

「何そんなに焦ってるのさ。」

ボクがそう言うと、赤木くんは黙り込んだ。
何か考えてるような感じ。

「よくわかんねーけど、一人でいるのがつまんねーから。」

「淋しい病だな。」

ボクが言うと赤木くんは笑った。

「オマエも家出てみろよ。」

「まあ一人になりたいけどね。」

「羨ましいよ。」

赤木くんはボクめがけていきなりビーチボールを投げた。

ボクがそれを慌てて受け止める。

笑ってる彼の、何がそんなに彼を淋しくさせているのか、
ボクにはよくわからなかった。

こんなに近くにいるのに、
あんなにいろいろ話していたのに、
やっぱりよくわからなかった。


ねぇ、今ならちょっとわかるような気がするんだよ。
ボクの話を聞いてもらいたい。

オマエにいろいろ聞いてもらいたいんだよ。





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最終更新日  2010年03月27日 16時33分42秒
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