りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年05月25日
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カテゴリ: オレとボク
今日の日記


「アイツとボク35」



海が見えるオープンカフェだった。
ボクがどんな感じだったかカリナに話すと、カリナがポツリと言った。

「いいなぁ…結婚。
私も寿退社しちゃいたいなぁ。」

そんなことカリナが言うと思ってなかったので、ボクはちょっと焦った。
飲物を飲んで、
返事を何て言うものか考えてしまう。

「あ、ごめん。おねだりじゃないよ?
ただ、ちょっと仕事嫌になっちゃっただけ。」

話が仕事に移ったので、ボクはちょっとホッとして聞いてみる。

「仕事?嫌なの?何で?」

「たいしたことじゃないのよ。
私が今仕事で組んでる男の人がいてね、
その人が、女の先輩の前で、どうやら私のことを誉めちゃったらしいの。

よく、わからないんだけど、
それが原因なのか、何なのか、
その先輩の私への仕事の対応が最近変で…。

私がチェックしなきゃいけない伝票がまわってきてなかったり、
処理してなかったことで、上司からチェックが入って、
もう一度見直ししなきゃいけなかったり、
いっしょに組んでる人も、何だかよそよそしくなって、
ちょっと疲れてる。」

そんなことがカリナに起こってるなんて知らなかった。
ボクの会社でも、
時々何かしらトラブルは起こっているようだけど、
外回りしているボクには、
ちょっとした噂しかまわってきていない。

今まで他人事だと思っていたけど、
カリナにそんな話があるとなると、
どうも心配になってしまう。

「そうだったの?大丈夫?」

ボクがそう言うと、カリナはちょっと笑顔を作った。

「うん、大丈夫。
つまんないことで逃げようとしちゃダメね。」

ボクはカリナの頭をなでた。

「やだ、大丈夫だってば!」

カリナは笑ったけど、それからいきなり顔がくずれて泣き出した。
それからずっと涙を出していたので、
ボクは落ち着くまで、隣に移って、カリナの肩を抱いていた。

周りの人がジロジロとボクらを見ていたけど、
別に別れ話をしている訳じゃないし、
最初はどうしようかと思ったけど、
あまり気にならなくなってきた。

「落ち着いた?」
「うん。」

カリナが泣いている間、ずっと考えていたことがある。
こんな時、結婚していたらどうなんだろうと。
いっしょに暮らしていたら、
すぐに仕事を辞めていいよって言えるのだろうか?

どちらにしても、彼女が悩んでいることにはすぐに気がつけたような気がする。
その日は映画を観ることになっていた。
前売りを買ってあった。

でも、何だかどうしても二人きりになりたくて、ボクがホテルに誘ったら、
カリナはスンナリ頷いた。
いつもは、「ヤダ!昼間から、エッチだね~!」
とか言うのに、
今日に限っては、そんな言葉さえ言い出さなかった。

抱き合って、時間が来たら出て、夕食を食べて…。
その間のカリナは、いつもよりどうも弱々しく見えた。
いつも元気なのに、
今日は、元気に振舞うほど、
ワザと笑ってるみたいで、弱々しく見えた。

帰りの電車は無言だった。
カリナがボクの手をいじる。
ボクの手を見て、
手相をなぞったり、指を触ったりする。
ボクの手を握ったり離したり。
その仕草が好きで、
もっとずっと、いっしょにいたいと思う。

カリナの駅に着いた。
カリナが淋しそうな顔をしていた。

「そんな顔すると帰れなくなるんだけど…。」

ボクがそう言って、カリナの頬に触れたら、
カリナがその手を握って、
頬をすり寄せた。
そして笑顔を作った。

いつも別れる家の側まで来ても、ボクが帰ろうとしないので、
カリナが聞いてきた。

「どうしたの?」

「いや、大丈夫かな~と思って。」

「大丈夫よ。元気もらったから。
アオヤンこそ大丈夫?
私元気さっき吸い取っちゃったよ。」

「うわっ!気付かなかった!」

ボクもおどけて言って、カリナが家の前から手を振る。
ボクも振り返りながら手を振る。

ずっと、いっしょにいた時のことを考えながら、家に帰った。
帰したくなかった。
会社さえなければ、
ホントはもっとずっといっしょにいたかった。


「ただいま~」
「ご飯食べてきてあるよね?」

家に入ったボクに、母親が真っ先に言った。

「うん、食べたよ。」
「なら良かった。さっさとお風呂に入っちゃってよ。」

「ん~、わかった~。」

兄が結婚して部屋を独り占めできて間も無い。
ようやく一人で広々と部屋を使えるようになっていた。

自分で稼いだ金の、一部だけ食費を入れれば、
後は自由にお金を使っていい生活。
洗濯もやってもらえるし、
食事も出てくる。
やりたいことがあれば部屋に行けばいいし、
一人になりたくなれば、ここでぼんやりしていていい。

カリナと結婚したら、
こうはいかなくなるんだろうな。

ボクはまだ、この生活ペースが気に入っていたので、
しばらく崩すつもりはなかった。

でも…。

部屋で一人でいると、ちょっと考えてしまう。

結婚か…。

まだ現実的にできないような気がした。

二人で生活するには、お金はいくらかかるのだろう?
今までのように、実家で暮らすようなワケには…
いかないよな、やっぱり。

でも、きっかけとして、
これがカリナとの結婚を意識した始まりだったと思う。




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最終更新日  2010年03月27日 16時58分20秒
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