りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年06月03日
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カテゴリ: オレとボク
今日の日記


「アイツとオレ40」



中に入って、とりあえず、雑誌のコーナーに行って、
情報誌をめくる。

会って、どこに行ったらいいんだろう?

こんなに会いたいのは、オレだけなんだろうか?

雑誌をめくっても頭に何も入って来なかった。
会うまで落ち着かないかもしれない。

その雑誌と飲物とガムを買って車に戻った。

シートにもたれて、大きくため息をついた。

何か、音楽でも聴いてようかと思って、ダッシュボードを探る。
懐かしい物が出てきた。
高校の時のライヴのテープ。
最近のライヴテープもある。

そのうち聴こうと思って、車の中に入れておいたんだった。

かけてみると、
笑っちゃうくらいずいぶん幼いオレが歌っていた。

最近のと比べてみる。

まあマシになったか。
みんなもスゲー上手くなってんな。

あの頃のオレに、
今のこのオレの状況が想像できただろうか?
もう10年も前のオレ。

参ったな…。
つまらないことばかりしてたのに、
あまり面白くない平凡な日常だと思ってたのに、
すごく楽しかったように思える。

でも、もう戻らなくていい。
あの頃は充分堪能した。

窓をトントンと叩く音で我に返って外を見た。

タカダさんだった。

「車だったんだね。中入っていい?」

オレは頷いて、タカダさんが助手席に座る。

エンジンをかけて、
とりあえず車を出す。

「これ誰の曲?」

ヤベ!いきなりで、忘れてた。
オレは、自分のライヴの曲をかけっぱなしだった。
うわ~、スッゲー恥ずかしい!

「ごめん、他のにして!わかる?」

運転しながら、慌ててEJECTボタンだけ押す。

「え?何?何?気になる~!いいじゃん、聴かせてよ!」

タカダさんがテープを入れてしまう。
恥ずかしくて死にそうだった。

「これ、誰?ねえ、もしかして…」

「…オレ。
聴いたことなかったから聴いてた。
ライヴの時のテープ。
MDに落とさなきゃなって思ってたんだけど、
車の中入れてて忘れてたんだ。
もういいだろ?」

オレが運転しながらEJECTを押すと、またタカダさんが入れる。

「ううん。上手だよ。
オリジナルなの?聴いてていい?」

「事故るから。
やめよーよ。
オレ、マジ死ぬ…。」

ハンドルに突っ伏したい気分だった。

「ふーん。残念。
わかった。じゃあ、適当に何か…ね。
ねえ、
でもこれ聴きたいなぁ。
借りてもいい?」

「行くまでに返してくれる?」

「うん。」

「じゃあ、持ってっていいよ。」

「ありがと~。」

タカダさんは、テープを出して、自分のバッグにしまってしまった。
あ~あ…
って、オレは思った。

ま、いいか。
最悪、マスターはシュウが持ってるだろうし、
ライヴはまたやるし。


「音楽の好みって、その人が出るよね~。」

タカダさんが、オレの聴く曲を物色している。
そう言われると恥ずかしくて、ホントに死にそうな気分だった。
自分の中を探索されてるような。
まあいいや。

「CDも聴けるけど?」
一応、言ってみた。

「う~ん、最近あまり音楽聴かないからな…。」
そう言いながら、
タカダさんは、オレが好きなテープを選んで入れた。
助かったと思った。
もしかして、音楽の好みが合う?

「後で、赤木くんの好きな曲入れて~。」

タカダさんが言った。
余裕があるんだな。

自分一人が緊張してるような気持ちになってきた。

今日は上着の下にジーンズとTシャツ、
薄い化粧をしたタカダさんがいた。

「今日は今日で雰囲気が違うんだね。」

オレが言った。

「よく眠れなくて…。
ウトウトしたと思って、起きたら昼前だったの。
慌てて支度しちゃったから。
ごめんね、変?」

「ううん、そういうのも似合ってる。
そういうカッコ、好きだよ。」

「え?何?もう一回言って?」

「だから、そういう格好も好きだって…」

タカダさんがクスクス笑い出した。

「何が面白いの~?」

「ううん、赤木くんに”好きだよ”って言わせたかったの。」

オレは恥ずかしくなった。

「ほんっとうに嫌なヤツだね、タカダさんは。」

「そうだよ。嫌いになった?」

「いや、好きだけど…。」

また言わされた。
タカダさんが嬉しそうに笑う。
この女、悪い女だ。
絶対そうだ。

どうしてやろうかな。

年下だからって、向こうにばかり主導権を握られたくない。
信号が赤になった。
手を握ってみる。

「こうされるのは好き?」

「え…」

タカダさんが照れたようにうつむいた。

「…うん。」

ヤバイ。
こういうの弱い。

オレは、中学生のカップルでもあるまいし、
手を握っただけで緊張してきた。

「どこ行く?飯食った?」

「ううん、まだ。赤木くんは?」

「オレもまだ…。
ハラ減らなくて…。
ファミレスでも入る?」

「うん、私もなんだけど、そうしようか。」

しばらく無言でいたら、またタカダさんが笑っている。

「今度は何がおかしいの~?」

「だって、さっきから変だな~って思ってたら、
赤木くん、いきなりタメ語なんだもの。」

言われてみたら、そうだった。

「じゃあ、いつも通りに直しましょうか?」

「もういいよ~。」

二人で笑った。

手のぬくもりが伝わってくる。
やっぱり、今日会えて良かったと思った。




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最終更新日  2010年03月27日 17時21分17秒
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