りらっくママの日々

りらっくママの日々

2009年10月22日
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今日の日記




「ある女の話:アヤカ65」



だけど、赤木くんの返事は違った。

「オレが遊びで誘ったと思ってんの?」

そうじゃない、そうじゃないけど…
人の心の中なんてわからないよ。

「遊びでも何でもいい。」

私は小声で呟いた。

ホントにそう思ってる。
だって一日だけの夢だもの。
どうしても赤木くんと過ごしたかったの。

私って、バカだな…

赤木くんが大きく溜息をついた。

「一日だけって言わなきゃ出てこなかったでしょ?」

胸がズキッと痛んだ。

多分、その通りだったから。
この気持ちにケリをつける日が欲しかったんだと思う。

でも、
それを覚悟で赤木くんが誘ったって言うなら…

「私ってズルい人みたいだね。」

「そうなるように仕向けたんだよ。」

それでも良かったって言うの?
赤木くんから強引に誘ったって言うの?
そんなはず無いのに…

「優しいんだね、赤木くんは。
そうじゃないよ。
ほんとにズルいんだよ。」

「どうしてそんなこと言うの?」

「好きじゃない人と寝れない…。
寝たから好きになった訳じゃない。」

赤木くんが無言になる。
何かずっと考えてるみたいだ。

遊びなのか本気なのか。
遊びだとしたら遊びって何なのか…。

私が何も捨てずに赤木くんとこうなること?
こんなに好きだけど、
何事も無かったかのように戻ろうとしてること?

「そんなこと言って、もっと本気になったらどうすんだよ。
困るのはそっちだろ?」

やっぱり赤木くんは遊びだって割り切ってる?
それとも私が遊びでこんなことしてると思ってる?

どう言っていいのかわからない。
欲なら出てるよ。
もっとずっとこうしてたいって。

「今だって困ってるよ…。
こっちだって、ずっとブレーキかけてたんだから。
ずっと、いい関係でいたいって…。
はずすつもりなんてなかったんだよ。
本当に…」

そうだよ。
私がブレーキかけてれば、
こんなことにならなかった。

だけど、
こうなりたかったから、
一日でいいから、
自分だけを見て欲しかったの。
私も彼だけを見たかったの。

「だから、タカダさんのせいじゃないって言ってるじゃん。
オレが、こうなりたかったんだよ。
オレが誘惑したの。
いい?
罪悪感感じる必要無いから。
オレのワガママに付き合ってやったと思えばいいんだよ。
タカダさんがいい関係のままでいたいって言うなら、
このこと忘れたっていいんだよ。」

「忘れちゃうの?」

自分だけが被ろうって言うの?
それともホントに今だけのことだって、
貴方は割り切れるの?

「タカダさんが忘れればいいんだよ。
それでいいじゃん。
会社を辞めるまで、今まで通りで。」

「そんなことできない。
忘れたくないよ。」

「じゃあ、忘れないでよ。
オレも忘れないから。」

どうしてこの人はこんなに、
いろいろ冷静に割り切ろうとしてくれるんだろう。
それも全部私の負担にならないように…

「どうしてそんなこと言うの?
どうしてそんな優しいことばっか言ってくれるの?
貴方は悪くない。
ワガママなんか言ってないよ。
私の意思で、ここに来たの。」

「別に優しくなんかないよ。
本当にそう思ってるだけでさ。
タカダさんが、こんなことになって、嫌な思いすんの、オレ嫌なんだよ。」

「私だって、赤木くんが嫌な思いするのは嫌だよ。
だから…」

そんなこと言わないでよ…。
赤木くんだけが嫌な思いをして欲しくない。

言われれば言われるほど、
自分のズルさが嫌になる。

私は何も捨てられない。
捨てられないのにこんなことをしたんだ。

「だから、こうならないようにしたかったのに…。
だって、私結婚してるじゃん。
どうにもならないじゃん。
もう、どうしていいのかわからなかったよ。」

泣きたくなんか無いのに、
涙が溢れてくるのがわかった。

どう説明すればいいのかわからない。
自分の心が声になっていくのを、
止めることができない。

「でも、貴方が待ってるかと思うと、行きたかった。
どうしても、会いたかった。
私と同じように思ってくれたのかと思ったら、
気持ちが止まらなかった…。

最低だよね?
だって、今すごくこうしてられると嬉しいんだよ?
罪悪感でいっぱいなのに、
赤木くんといっしょにいたいの。
もっといっしょにいたいの。」

こんなこと言っちゃいけないのに。
何を自分は言ってるんだろう?

泣いたりしちゃいけないのに、
自分の勝手でここに来たのに、
私はなぜ泣いてるの?

赤木くんは、私を抱き寄せて、
強く
強く抱き締めた。

「もういいよ…。
何も、言わないでも。
わかるから…」

悲劇のヒロインになりたいワケじゃない。
自分たちに酔ってるつもりじゃない。

だけど、
どうしても止められなかった。

もしも心がコントロールできたら、
もしもこの人と出会わなかったら、

こんな気持ちになることはなかった。

彼に求められることが、

恐ろしいほど幸せで、
恐ろしいほど怖い。

こんな気持ちが続くはずが無い。

続いたら、きっと私は壊れてしまう。

それだけは、ボンヤリとわかるんだ…






続きはまた明日

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最終更新日  2009年10月22日 18時35分42秒
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