りらっくママの日々

りらっくママの日々

2010年04月11日
XML
カテゴリ: ある女の話:サキ
今日の日記







帰りの車の中、山川さんは家までもう少しってところで気持ち悪いって言い出した。

慌てて適当な最寄り駅で降りるってことになって、
ミサコちゃんが、心配だし、近いから私もいっしょに降りるね、って
山川さんといっしょに降りてしまった。

ミサコちゃんの気持ちを知ってる私は、何となくいっしょに付いて行っていいのか迷い、
二人は駅の方へ消えてしまい、
赤木くんは、後ろでクラクションを鳴らされたこともあって、
さっさと車を発進させてしまった。


って言うか、こう静かだと、
何だか異性として赤木くんを意識してしまう気がした。

カズユキのことを思い出して、
何意識してんのよ?と心でつぶやく。

「私、どこで降りればいい?」

「近い駅はどこ?」

てっきり途中のどこかで降ろされるんだと思っていた。

私は寮の最寄り駅を言うと、オレんちと近いじゃん。って返事が返ってきた。

赤木くんは信号待ちの間に、ラジオから普段聴いてるらしい音楽に変更した。
それで、ちょっと気持ちが楽になった。
それは昔、兄がよく聴いていた曲だった。



こうして車に無言で乗っていると、兄がたまに助手席に乗せてくれて、
近所に出かけた時のことを思い出す。

私はつい、兄の車に乗っているような気持ちになって、
サビの知ってる部分を小さな声で歌っていた。

「女でこの曲聴くのって、珍しくないか?」



「兄がいるの。よく聴いてるから。コレは好き。」

自分が歌ってた声を聴かれてたことが恥ずかしくて、
打ち消すように返事をした。

ふ~ん、と赤木くんがつぶやいた。

「彼氏いて、こういうの参加するの、怒らんねぇの?」

あ、言われると思った。

黙ってバーベキューに参加したことに、ちょっとした罪悪感もあったけど、
私はそれを認めるのが嫌だった。

だって、カズユキだってあちこち参加してるんだし。
それでも何だか、赤木くんがカズユキになって私を責めてるように感じた。

「そうね~。どうかな?
向こうは向こうで楽しんでるだろうからね。
それに、いない時まで束縛されたくないよ。」

どうだっていいじゃない。
男なら良くて女だといけないの?

つい投げやりに返事をした。

「そりゃ、そうだよな。
サキちゃんと付き合うには、器が大きい男じゃないと無理そうだ。」

赤木くんが呆れたように言った。

男って、み~んな、こんなふうに思うのかしら?

さっきは面白いこと言ってたのに、
なんか、ちょっとガッカリした。

「そうよ。赤木くんはどう?」

そんなこと言うからには、ヤキモチ焼いたりするの?

「えっ?!」

赤木くんは、ちょっと慌てた顔をした。

なんで?

ポーカーフェイスが崩れたようで、 私はちょっと嬉しくなって笑った。

「器が大きいの?」

「オレは小さいね~。」

今崩れた顔が錯覚だったみたいに、余裕を取り戻した赤木くんが言った。

そう来ると、もっとこの余裕な状態を崩したくなる。

「へぇ~、そうなんだ?どんなところが?」

ヤキモチ焼くの?
どんなふうに?
行くなよ!とか言うのかな?

想像したら、ニヤニヤしてしまった。

赤木くんが黙った。

怒らせちゃったかも?

「オレは器が小さい男だから、
そういう気の強いこと言ってると、ラブホテルに連れ込むぞ。」

赤木くんは、いいこと考えたって顔をして、チラリとこっちを見た。

私がどう来るか試してる?

「ふーん、赤木くんてそういう人なんだ?」

内心ビックリしたけど、顔には出さないようにした。

負けない!

怒ったからそんなこと言うの?

もしかして子供っぽい?

ホントにホテルになんて連れ込む気?

本気かな?

冗談だよね?

私は見極めるために赤木くんの横顔をジッと見る。

大通りの左側にラブホテルの建物があるのが見えた。



(続く)

前の話を読む

目次





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010年04月11日 20時24分01秒
コメント(2) | コメントを書く
[ある女の話:サキ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

りらっくままハッシー!^o^

りらっくままハッシー!^o^

カレンダー

コメント新着

りらっくままハッシー!^o^ @ Re[2]:アカデミー賞授賞式(03/11) ゆうけんのままさんへ 一年ぶりになってし…

バックナンバー

2025年11月

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: