りらっくママの日々

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2010年04月18日
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カテゴリ: ある女の話:サキ




慌てて携帯電話に出た。
そのまま座敷から慌てて出る。
みんなが私を見てたのがわかった。

「どしたの?」

「サキ?騒がしいけど、どこにいるの?」

カズユキの声が聞こえるけど、確かにこっちがうるさくてよく聞こえない。

「バイトの飲み会に来てるから。」

「ああ、そっか。」

カズユキの反応は薄い。



「ああ、うん…」

カズユキはちょっと間を置いた。

迷ってるような、考えるような間。

「今出張の帰りで車なんだよ。
サキがバイト終わって会えるなら迎えに行こうと思ったから。」

珍しいことを言う。

何か男の勘でも働いたのか?偶然か?

手を握られたことに、ちょっと罪悪感が湧いてくる。

「どこにいるの?」

カズユキはバイト最寄駅のロータリーに来ていた。

そんなとこまで来られてたら帰らざるを得ない気がした。


今日は帰りま~す。」

私はみんなのところへ戻って、
言われた程度のお金を残して、残念とばかりに席を立った。

歩きながら思う。

前までだったら、カズユキからこんな電話があったらもっと嬉しかったはずなのに…。


今は…

何ていうか、赤木くんがいなくなったことで、
あの場にいても、ちょっと面白さが減っちゃったって思ってた部分がある。

だから抜けても、まあいいかな~って。

もし、赤木くんがあの場にいたら…?

あ~、私って浮気モノなんじゃ?

クビをブンブン振ってロータリーに急ぐ。

だから男女間で友達って、よくわかんないんだよ。


ロータリーでキョロキョロしてると、スーツ姿のカズユキが車の外で手を振ってるのが見えた。

「早かったね。」

車に乗り込むと急いだせいで涼しい空気が心地イイ。

私は汗をハンカチで拭いた。

「だって近くまで来てるなんて言うんだもの。」

「慌てなくても良かったのに。」

カズユキは当然みたいに言って車を出した。

「腹減った。どこ行こうか。」

「どこでもいいよ。私オナカ減ってないし。」

「飲んでたんだもんな。」

「うん。」

それで会話終了。

カズユキの好きなアイドル、Eryの甲高い声が聴こえる。

好きだからかもしれないけど、カラオケに行くと歌ってって言われる。

私のキーには合わないからあまり好きじゃないけど、
カズユキが嬉しそうな顔をするから歌う。

もうすっかり覚えちゃったな。


私は何だか可笑しくなった。

いつもの空気。

かき回されてた心がちょっとだけ落ち着いた気がする。

やっぱり、これでいいんだ。


カズユキは適当なファミレスに入って、

いつも頼むハンバーグセットを注文した。

私はケーキセットを頼んだ。

酔いの後だからか、醒めてるせいなのか、気だるい。

「家、寄ってくでしょ?」

カズユキが言った。

「うん。」

今日あったことは、酔っ払ってたから。

それでイイんだ。
うん。

何度も自分に言い聞かせてる気がする。

いや、気がするんじゃない。
そうなんだ。


ファミレスを出て車に乗る。

ちょっと自分の感情を持て余して、
ダルかったので、座席を少し倒そうとしたら、
後部座席の足元に傘があることに気付いた。

黄色とブルーの水玉。

どうみても男物の傘じゃ無かった。




(続く)

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最終更新日  2010年04月18日 20時19分11秒
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