ねねみにみず

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『輝く日の宮』

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今日は『輝く日の宮』。

こんなに面白い本を読んだのはいつ以来でしょう。ここ数年のなかで一番といってもいいかもしれません。

でも不思議なんですよね。私、古典はかなり苦手。特に源氏物語。少女漫画の『あさきゆめみし』も橋本治も瀬戸内寂聴もどのようなアプローチでも面白いと思えません。

この本はタイトル通り源氏物語の幻の巻をめぐる話です。源氏物語だけではなく、松尾芭蕉や泉鏡花の話も出てきます。ただ、その知識がなくても理解できるように書かれているので、私でも充分楽しめたのかもしれません。

それから女性の扱い方。丸谷才一の『女ざかり』でも初対面の人を勝手に好きになって「大学出の女を抱くのは初めてだ」なんて発言がありましたが、普段ならスルーできない言葉や行動があちこちにあります。

それがなんとなく丸め込まれるような感じで、ま、いいかと思いながら読んでしまうのがわれながらおかしい。

あと、章によって趣向が全く変わるのです。シナリオ形式になったり、実録小説風に年号と実際の事件などが羅列されたり。作者の一人称になったり。

これって、源氏物語の手法そのものなのでは。

と気がつくのが(私、鈍感なので)すごく遅くなってしまいました。冒頭がどことなく稚拙な印象なのも、わざとなのです!!あ~この本に限っては私がどれだけ極悪非道なネタバレ女だからといってバラすわけにはいかないような気がします~!!!と言った時点で源氏物語を知っている人にはネタバレなのか?

結末だって、最も私が嫌うタイプの結末です。それなんだのにそれなんだのに、

とってもとっても面白い。

私は優れたものを押し付けられるのがキライで、たとえば平井賢なんてテレビなどで一曲聞くのは大好きですが、アルバムで何曲も続けて聴かされると「どう僕のボーカルすごいでしょうまいでしょ」みたいなのがイヤだな~などと生意気なことを思ったりするのですが、この本のように「どうよ、こんなに古典に詳しいのよ知識が豊富なのよ」みたいなことを明らかにイヤミなはずなのに、

いや~ほんとにすごいっす。

と素直に思えたりして。

現代の(本筋のはずの)話が紫式部の時代の話に食われてしまっている感はありますが、お上品なエロが楽しゅうございました。

というわけで。ワタクシの手に余る本ではございました。大変面白かったです。脱帽。



Last updated February 9, 2005 09:25:45


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