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DIARY
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the Fourth Avenue Cafё
EP1:New World,1
日が落ち、暗くなり始めているソロの中央広場(だだっ広い、床が大理石でできた広場)に皆が集まっていた。サルファードの後ろには帝国軍がズラッと整列していた。広場には天井が無く、雨が直接、皆に当たっていた。
サルファードは小刀をジョージに突き出しながら、人を待っていた。
「――来ないつもりか?」
ジョージの後ろで並んでいる八方議員達を睨んだ。ミドナカとミッドは顔を見合わせ、またサルファードの方に向き直った。サルファードは舌打ちしながら、腕を組んだ。
雨が激しくなり始めた。サルファードは目を細めながらジョージを見下ろした。その時、八方議員達を押しのけて、2人の老人が走って入ってきた。
「待て!サルファード!」
現れたのはディールとアントニオだった。2人とも息を切らしながら走ってきたため、しゃべり出すまでに一息ついた。
「ジョージを殺すことはできん!」
サルファードはジョージから目を離し、ディールに目を向けた。次にアントニオ、そしてまたディールと。
「何故だ?・・・御老人?」
サルファードは腕組みをやめ、両手を下ろした。ディールはジョージの前に出て、サルファードと向かい合った。後ろではアントニオがジョージの腕と肩を持ち、立たせていた。その方にサルファードは一瞬目を向けたが、またすぐにディールの方に向いた。
「この男は我が議員の一人、レイノルズ氏を殺したのだ。それぐらいの仕打ちがあって当然!」
「それはどうかな、お前の言うレイノルズという者は、ジョージに何もしなかったのだな?」
サルファードはまたジョージを見た。
「彼がジョージという者か。――あぁ、レイノルズは何もしていない」
「・・・」
ディールは後ろを振り返り、ジョージを見た。ジョージは顔を少し上げ、ディールを見たが、すぐに頭を垂れてしまった。
「誓って・・・か?」
サルファードの方に振り返りながら彼に聞いた。
「あぁ。誓って――そうだ」
彼は両手を上げ、とぼけたように目を閉じた。
「そうか」ディールは残念そうな眼差しでジョージを見、彼の肩に手をやり、同じく頭を垂らした。「すまない・・・」
ディールはまたサルファードの方に顔を向けた。
「彼を殺させはしない。その権利は君に無いはずだが?」
サルファードは歯を食いしばり、しばらく考え込んだ。そして、何か閃いたらしくジョージの方へ歩いていった。
「わかった。殺しはしない」そこでジョージの位置を確認し、
「しかし、彼は奴隷となる運命だ!」と叫んだ直後、ジョージをアントニオの腕から引き抜き、小刀を彼の首にあてがった。
「何をするつもりだ!!」後ろに並んでいる八方議員が次々と叫び始めた。「殺さないと言ったではないか!」ディールがサルファードの前に出た。
「殺さないさ!」
そうサルファードは告げ、その小刀をジョージの頭に突き立てた。その瞬間、ジョージの右の頭皮から血がほとばしった。皆が固唾(かたず)をのんで見ていた。そして、見る見るジョージの右の髪が切り落とされていった。
無理矢理切り取ったため、右の頭皮から血が止め処なく流れ出た。
「うあああああああああああああああああ!!!!!!」
今まで黙っていたジョージが悲鳴を上げ、その場に倒れた。八方議員一同は一斉に前で飛び出そうとしたが、「止まれ!!」とディールが叫び、ピクリとも動けなくなった。
「そうだ。そのままでいろ」
と独得な粘り気のある声でサルファードが付け足した。八方議員全員が血が出るほど手を握りしめた。もちろん、皆を止めたディールも同じ気持ちだった。
「そうだ、そうだ!そうだ!!動くな!」
サルファードは握っていたジョージの髪を離した。雨にうたれながら切り取られた髪がバサッと落ちた。サルファードは徐々に後ろに下がっていった。
「彼は、一生この恥辱を忘れることはないだろう」
「さっさと行け。ここは共和国内だ。不法侵入と見なし――」
「わかった!わかった!」サルファードはまたふざけたように両手を上げ、背中を向けて歩いていった。サルファードの後ろに並んでいた帝国軍も背中を向け、歩いていった。そして、彼はジョージの髪を切った小刀をその場に投げ捨てて、高笑いを上げながら消えていった。
しばらくして、彼らを乗せた機が轟音をたてながら空高く飛んでいった。
ディールはサルファードが背中を向けた直後にジョージに駆け寄った。八方議員達も彼の周りに集まった。ディールはジョージを何とか起こし、そしてジョージはそこで初めて皆に涙を見せた。
「あんたが憎い!!」
ジョージはディールを睨んだ。ディールはジョージの瞳を見つめていた。
「わかっておる。わかっておる」ジョージの血が流れて止まない右の頭皮に優しく触れた。その手はすぐに真っ赤に染まり、雨ですぐに洗われた。
「くそぉぉぉ!!!」
ジョージは歯を食いしばりながら、瞳を強く閉じた。
「こんなことになるなら死んだ方がマシだ!!!」
「悔やんでも変わらぬものは変わらぬ!」ジョージは息を荒くしていた。
「――俺は悪くない!あいつを殺したが!それでも俺は!!」
「わかっておる!」
「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!必ず這い上がってあんたを!!」
ディールはジョージの口を塞いだ。「お主の言いたいことは違うはずだ」
ジョージは唾を飲み込み、涙を流した。
「――すまない。共和国を汚してしまった。何と謝れば・・・」
「・・・」
ディールは静かに瞳を閉じた。
「どうすれば良いか――わかっておるはずだ」
「・・・息子を。息子を頼みます」
「わかった。リードを迎えに行かせる」「カタル家か・・・」
ディールは一息ついてからこう告げた。
「バームル家とは仲がよい。そうじゃろ?」
「はぃ・・・。これを息子へ渡してやってくれ。私には息子に会わせる顔がない」
ジョージは震える手で懐から短剣を出し、ディールに握らせた。ディールはそれをしっかりと受け止めた。
「了解した。・・・向こうでも、頑張ってくれ」
その1年後、共和国軍と帝国軍による第2次宇宙戦争が起きることとなった。
一、
ジョージ・バームルが共和国ソロからピサラルドへ追放されてから10年後。
リードは、ディールからの指令でクルタウロンへ行っていた。『クルタウロン国ニーナ女王の護衛』を忠実に遂行していた。
クルタウロンの中央に建てられている皇室の廊下を2人は何人かクルタウロンの護衛を引き連れて歩いていた。皇室の廊下といっても、豪華なものではなく石製の大きな柱が左右に並び、その床は見事に磨かれたものだった。柱が並んでいるだけなので、外の自然は簡単に観ることができる。リードとニーナは外に広がる森林をゆっくり眺めながら歩いていた。
「私、まだあの場所へ行ったことが無いのです」
ニーナは森林の中にある噴水の遺跡を指さして優しい口調で言った。リードはその指がさす場所へ目をやった。リードは彼女に微笑みかけ、「一緒に参られますか?」と尋ねた。
「明日はソロ本国との契約を結ぶ日ですので、休まれた方が」
後ろから彼女の護衛と思われる男が言った。その男はリードを睨んだ。リードは敵対心を見せぬよう彼にも微笑みかけた。
「分かりました」そこで彼女に一礼して、「では、これから部屋へ?」とつげた。
「構いません。大丈夫です」
ニーナは後ろの護衛の男に手で合図をした。その男は静かに礼をし、一歩下がった。
「行きましょ」
彼女はリードの手を引っ張り、廊下を早足で行った。一瞬リードには女王とは思えないような無邪気な笑顔が見えた気がした。リードは後ろにいる護衛に一礼してから彼女の後を追った。
2人は階段を下り、地面に立った。
二、
翌朝。ニーナが放し飼いにしている鳥たちが餌欲しさにツルの巻いている窓際で戯れていた。その囀(さえず)りでニーナは目を覚ました。いつもならもう少しうるさくしているはずなのに・・・。
シーツから抜け出し、目を擦りながら、窓の外を見て、驚いて目を見開いた。
「何をなさっているの!?」
ニーナが見た先(窓の位置が高いため、外は見下ろす形になる)には、リードが小さな広場の椅子に座り、鳥に餌をやっている姿があった。そして、餌をまいている手を休め、ニーナを見上げた。その時、朝日が眩しいため目を細めて、手を目の上にかざした。
「餌まきですよ。こういうことも一度はやってみるべきですね」
笑いながら、リードはまた鳥に餌を与え始めた。
「あ!いいんです!いいんです!」
そう言いながら階段を下りて広場に出てきたニーナは完全に女王という威厳がなくなり、1人の少女のようだった。「こんな姿で申し訳ありません」と御礼をし、スカートの裾を持ち上げ、リードの傍へ駆け寄った。
そして、一息つけ、皺の寄ったスカートなどを丁寧に直してから、リードの顔を見上げた。
「あ・・・あの、本当に申し上げにくいことなんですが」
「はい・・・?」
「ここでは――」と彼女が言いかけたとき、広場の入り口の扉が開き、一人のおばさんが現れた。その方は簡単に言えば、<家政婦>といった格好で2人の前に出てきた。
その姿を見たニーナは額に手を当て、「あーあー」と呟きため息をついた。
「ちょっとちょっと!!」
甲高い声で叫びながら、近付いてきて、リードの持っている餌の入った袋を取り上げた。
「ここでは餌をあげてはいけませんって言ったでしょ!」
彼女はニーナを強く叱った。リードは一瞬考えた。この国の女王にこのようなことを言って大丈夫なのか?
「すいません!私が言って無かったので!」ニーナは深くお辞儀をし謝った。
「いえいえ、私が勝手に」とリードがニーナを庇(かば)うと、その家政婦はリードを下から上へ見上げるように覗き込み睨んだ。目を細めたり、少し後ろから眺めてみたり。
「あなたは?」とその家政婦はリードに聞いた。
「はい。共和国八方議員の1人であります。リード・カタルと言います」
リードは一歩後ろへ下がり、姿勢を正した。
「リード・カタル・・・。いい男じゃない」そう言ってリードの腕を触った。リードはピクッと反応したが、なるべく動かないように我慢した。そして、何度も「申し訳ありません」と呟くばかりだった。家政婦はリードの後ろへ廻ったり、横から見たりと見回すと、もう一度リードの腕に触った。そして、一発叩いた。
「通りでねぇ・・・。すいません、こんな娘を」と今度はその家政婦がリードに一礼した。体を起こし、そして隠れて笑っていたニーナに視線を向けたが、ニーナがこちらを見ていることに気付き、笑いを堪えたので、すぐにリードに視線を戻した。
「それでは。ここは後で掃除しておきますので」と言って、そそくさと広場から出ていった。彼女が出ていった広場は急に静かになった。
「彼女は?」とリードが尋ねると「掃除婦のような人。私、あの方と親しくしすぎて、それ以来あのような態度に。申し訳ありません」と、またリードに頭を下げた。
「いえいえ。私の方こそ」と、ニーナの方を見ず、掃除婦が出ていった扉を見て言った。
そして、しばらくしてリードは我に返り、ニーナの方に向き直った。
「今日は・・・」「わかっています」と即座に答えられ、そこでまた彼は彼女に一礼した。
随分と日が昇り、明るくなってきた。
ニーナの護衛をしていたリードは今、クリフと共にディールの横に立っていた。そのディールは長い机の片端にある豪華な椅子に腰掛け、反対側(長い机を挟んで向かい側)に座るニーナと面と向かっていた。ニーナの後ろには例の男達が見事に綺麗に並んでいた。
ディールが立ち上がると、向かいに座るニーナも立ち上がった。そして2人は同時に礼をした。会議が始まった。
2時間後。
「―――ということで、良いですか?」ディールは手元の書類から目を外し、彼女の方を見た。彼女もディールを見ていた。「はい、この条件の下、私達クルタウロン民はソロの要求を聞き入れます」ニーナは静かに両手を膝の上に重ねた。
「それでは、こちらのものは後に送らせます」と言い、立ち上がった。ニーナは後ろの男達に何かを命じた。聞き入れた男は隣の男に耳打ちをし、耳打ちされた男は皆が集まる会議室から出ていった。
「お待ち願えますか?」とニーナ。ディールはリードに何か言おうとしていたところだったが、言うのを止め彼女の方に向き直った。そして、男が出ていった方をチラッと見、またニーナの方に目をやった。「・・・何か?」
出ていった男が戻ってきた。その男は手に厳重に守られていたような箱を持っていた。
「それは?」その箱を見たディールが彼女に聞く。
「これは、今回私達があなた方に渡すことになる物です」言い終わると箱が上下に開き、中から妙な形の銃が出てきた。
「これが―――」とディールがソレを見つめた。後ろでは議員達も驚きを隠せなかった。
「まだ試作品段階ですが」ディールはソレを見続けたまま、ニーナに近付いていった。いや、正確にはその銃に近付いていった。箱を持った男がディールに触られぬよう、その箱を閉じようとしたが、ニーナがそれを止めた。ディールはその銃を手に取った。ずっしりと重たい。
「すばらしい」とディールはつい言葉をこぼしてしまった。
「いえ、まだまだです。この重さでは到底持てる物ではありません」
実際、ディールも持ち続けるには無理があった。つまり、この重さでは常備は不可能ということだ。「・・・」ディールは言葉を無くした。
「しかし、性能は完璧のはずです。試してみますか」とニーナがディールの見ている横から言った。ディールは彼女の方に嬉しそうな表情で見て、「是非」と。
「リード議員」とディールは手を縦に振り、リードを呼んだ。そして、リードはそれを手に取った。
「こちらへ」
皆がニーナに連れられ、来たところは機械室のような部屋だった。広い部屋だが壁全部がコードで埋め尽くされていた。そして奥の扉が開き、何かが出てきた。異物な形からして人間ではない。しかし、何か喋っている。
「誰だ!」と言い、クリフが手持ちの銃を突きつけた。
「大丈夫です」ニーナがクリフの出した銃を降ろした。クリフは彼女を見た。そして扉から出てきた物に目を向けた。機械音混じりの声で何か言いながら、陰から姿を現した。
「キィーッ・・・どうなさキュインい・・・ま・・したか?ジィー」
出てきたのはロボット。『プロトタイプとされ、荷物運びとして活躍するCO22』の顔を持つロボットだった。しかし、体が全然違う。
「どういうことですか?・・・何故このCO22が」とクリフは彼女に聞いた。
「壊れているのをここの者が直し、この姿になってしまったのです。それにこれはCO22ではありません。CO23です」
「CO23?」「はい」そういうとニーナはこのロボットの頭(平らな鉄板が取り付けられている)を撫でた。そして、リードの耳元で「エンジェルって名前なんです」とたまに見せる子供らしい声で囁いた後、ニーナは先を歩いていった。皆もその方向へ歩いていった。
「こちらです。ここでならその銃の試し撃ちもできるかと」
皆が着いた場所は広場のようだが、四方八方に人型の黒い影が立っていた。その影は自動的に頭と心臓とが光るものだった。いわゆる人の的。
皆が広場全体を見回した。
真ん中に台があり、ニーナはそこを指さし、「ここからです」と言った。
皆がリードの持っている銃を見た。リードはその台に近付いていった。そして、その場で広場全体を見回した。
そして、銃を構えたかと思うと有無を言わさず、人型の影に発砲した。次々と音(一般の銃のような大きな音ではなく何かが擦れる音のように聞こえた)を立て、それははじけていった。皆が固唾をのんで見守っていた。
銃の先端からは弾ではなく光の塊が飛び出すのだった。撃った本人もビックリしていた。
この先程ニーナに渡された銃は人類の夢見ていたレーザー銃だった。
三、
ディールの後ろに八方議員並びにソロ軍が横列に整列していた。そして、前にはニーナを先頭に同じくクルタウロン軍が整列していた。
「では、宜しくお願いします」ディールが嗄(しゃが)れた声で言い、手を差しのべた。
「はい、こちらこそ。あなた方の条件に合うように作らせます」と、今度はニーナが女王様らしい威厳のある口調で言い、その手を握った。
ディールはその手にもう一方に手を重ね、念を押すように頷き、手を離した。
「ニーナ姫、それまでこちらの議員をまた護衛に」とディール。
「えぇ、できればそうしたいと言うところでした」
ニーナは無表情で答えた。
「それでは、リード議員とクリフ議員でどうでしょう?」
とディールは顔を覗き込むように薦めた。
「はい、有り難い。リード・カタル議員とは昔からの知り合いとの事があり、安心できます。そしてクリフ・ディゴナ議員はカタル議員の大の友達と聞いております」
ディールは長いフサフサとした自分の髭を手で撫でるかのように整えながら、笑った。
「ああ、是非とも。そうして貰いましょう」
後ろの八方議員はその言葉を耳にし、ディールの方を見た。
「それでは、失礼します」
ディールは深く礼をし、振り返ってソロ機へ歩いていった。ニーナもディールの後ろ背に一礼した。
四、
ソロ機へ歩いている途中、ミッドがディールへ駆け寄った。
「良いのですか?2人だけで」と耳元で囁いた。それを聞いたディールはミッドをじっくり見て、とぼけた顔で見返した。
「どういうことだ?わしは・・・・何も考えておらんよ」
ミッドを無視してディールは歩き続けた。ミッドはまたディールの横に来て、
「帝国軍のことです」と繋げた。
「帝国?何のことを申しておるのじゃ?」
「この情報はいずれ漏れる。そのとき、・・・いつか襲ってくるか分からないのに、襲ってこられたときは戦える戦士は2人しか、その場にいないとなると」
「・・・それは、・・2人を見くびっている、ということか?」と心配している表情でディールを見ているミッドに尋ねた。ミッドもその言葉に一瞬怯(ひる)み、立ち止まったが、また先を行くディールの横につき、
「そうではなく、情報が知られるということで、こちらの軍を遙かに超える軍で押し寄せてくると、そう言いたいのです」と言ったが、またディールに手の平返された。
「クルタウロンの軍もおる。それに奴等は2人の力を知らない。お主もその一人か?」
ミッドは皮肉で返され、完全に言葉を無くした。
「はい、申し訳ありません」と告げ、後ろに下がった。
落ち込むミッドの肩をミドナカが叩き、「あの2人なら大丈夫さ」と優しく励ましてくれた。「情報を漏らさなければ良いだけだ」
五、
取り残されたリードとクリフは変わらぬ位置に立ち、ソロ軍を見送っていた。こういう指令が出たときはなかなか本国へ帰れないのが現状だった。そんな2人の間にニーナが歩いてきた。
「クリフ議員は、まだこの国に来たばかりです・・・よね?」
と先程までの女王とうって変わって、またあのような態度で喋りかけた。クリフは困惑した。その姿を見たリードは彼らに背を向け、笑いを堪えた。クリフは余計にどういうことか分からなくなった。ニーナは困惑しているクリフに微笑みかけた。その可愛らしい笑顔を見たクリフはまたまた困惑して、遂にリードに聞いた。
「どういうことだ?!何であの・・・えっ・・・この女王が・・・えぇっ?」
クリフは何度もリードとニーナの顔を伺った。
「まだ分からないのか?クリフ」「えぇー!?」クリフは両手で頭を抱えるような格好になり、考えた。
「いや、だから何で・・・この女王がこんなに、や、優しいんだ?!」
クリフの困惑しようにリードは笑いかけたが、また堪えた。
「もとから優しいんだよ。そんなことも分からぬのか?」「いや、だって」
とまだクリフは納得できなかった。リードとニーナは顔を合わせ、笑った。
「だから!彼女は外から来た者には、女王というところを見せるため、先程のような態度で接するが、内で共に生活する者にまであの態度なら1人で浮いてしまう。それに彼女はもとからこのような性格なのだよ」とリードは教え込むかのようにクリフに納得させた。
「そうなんですか?!」と女王の方へ驚いた顔を向けたが、ニーナはただ微笑んでいるだけだった。しばらく考えてクリフは1人で納得した。
すると王宮の方から何かが飛んできた。CO23(本当はCO22)だった。3本足の関節部分から空気を出し、宙に浮いてきたのだった。そして、そのジェットが消え、地面に降りた。3人に近付いてくると、クリフはそれを睨んだ。するとそのCO23はニーナのスカートの影に隠れて、クリフが目を離すとゆっくりと影から出てきた。「あら、エンジェル」とニーナがその<エンジェル>の頭を撫でながら言うと、クリフはその<エンジェル>という言葉にまたビックリした。
「エンジェル?!」と聞き返すようにニーナの顔を見た。
「あら、そうよ。言ってなかったかしら?」とクリフに聞き返した。
「えっ?!」とクリフは聞いたことがないといった顔でエンジェルを見た。
「いやいや、聞いたのは私だけだ。」とリードが付け足し、クリフは「ほら、間違ってなかったじゃないか!」といった顔でニーナを見た。
「あら、ごめんなさい」と素直に謝り、クリフはまた何も言えず、言われっぱなしで終わった。
するとニーナは急に思い出したように両手を叩き、「お喋りは終わり?!」と尋ねてから「ほら、行きましょ」とリードとクリフの手を取り、3人(エンジェルを合わせて4人)で王宮へ戻っていった。
ニーナの手に引かれ、来たところは小さな湖畔だった。
六、
場所は変わって、ピサラルド。この国―小さな惑星―は他の国とは違い、機械というものが少ない。周りを見渡せば、樹、樹、樹。たまに家―というよりは小屋―があり、その前には美しく澄みきった湖がある。湖も浅く、幼い子供たちが中に浸かり楽しむことができるほどだった。この国の飲み水はその湖の水や雨水、またはソロやカルカウから送られてくる資源の水だけだった。人口も所々に固まり、それでも他の国よりは多くなかった。
ピサラルドは本当の自然の国だった。
そこでメサドとガンダスは一緒に暮らしていた。
ガンダスはジョージとサティーの昔からの友で、ソロから追放されたときも相談に請け負った。3人の相談の内容はメサドのことだけだった。ジョージが言うには、メサドを彼のもとに預け、自分とサティーは隠れて暮らす、ということだったが、サティーはまだ幼いメサドを手放したくなく、何度も反論した。しかしガンダスが無事に育てると説得し、サティーは諦めることとなった。そして、メサドとガンダスは共に暮らすこととなり、ジョージとサティーはガンダスの家の前の湖の向かい側の小屋(木で隠れ、その場から見えない)で隠居することになった。当時、8歳だったメサドは状況が飲み込めず、ガンダスに「両親はいずれ帰ってくる」とだけ聞かされ納得して生きてきた。
綺麗にカットされた大きな木片で壁(しっかりと窓も設置されている)を建て、板で屋根のもとを造り、その上に藁(わら)と似た草を被せ、しっかりと結んだ簡単な小屋でメサドは暮らしていた。その小さな小屋の横には大きな家があった。その大きな家こそがガンダスの家だった。作りは似ているが大きさが全然違う。何故メサドは一緒に暮らさず隣りに新しいの造り、そこで暮らしているのか、それはガンダスに一人前になるために一度自分で造ってみろと言われ、造ったのだ。初めてにしては上出来だとガンダスは思ったはずだが、まだまだという判定を下したのだった。
そして、メサドはその小屋で2年暮らしてきたのだった。
この2人の仕事は運び屋だった。危ない物を運ぶのではなく、昔で言う<宅配便(郵便)>だ。仕事の時はいつも2人一緒だった。この仕事は一般的に2人組によるものだったからだ。
今、2人は真っ暗な常緑樹の森を駆けていた。
「急げ!グズ!」ガンダスが先頭で後ろにメサド、2人で1つの荷物を運ぶのだったが、今回の荷物は3時までに2つ山超えたところにある落村に届ける重い荷物―中身はわからない―だった。そして今は2時半をまわったところ。2人はまだ1つ目の山を下ったところだった。
「はい!わかってる」とメサド。
メサドは頻りに太股をおさえている。
「おい後ろ!遅い!もっと速く走れ!」間に合わなかったときのことは2人とも重々承知しているからこそ急いでいるのだが、どうしてもメサドはこれ以上スピードを上げられなかった。ガンダスはメサドに叫んでばかりいた。それで体力を消耗したら意味がない。
「わかって・・・!」メサドは太股に限界が来て肩に乗せていた荷物の片端を地面に落とし、その場に跪いた。ガンダスは荷物が急に重たくなり、バランスを崩し、その場に倒れた。怒ってメサドの方を見て、また怒鳴った。
「何してる!!大事な荷物に傷でもついたときにゃ・・・」
言い終えるところでメサドの異変に気付いた。何度も何度も太股を指で撫で、血を拭っていた。ガンダスは急に優しくなったかのようにメサドに近寄り、メサドの太股の傷の様子を見た。
「いつからだ?いつからだ?!」「はぁーはぁー・・・何とも無いよ」
真剣に心配しているガンダスにメサドは元気を装い、笑って見せた。そして、ゆっくりと立ち上がった。しかし、その笑顔が歪んでいるのが少しの木漏れ日でも把握できた。
「そこに座っていろ」とガンダスはメサドのふらつく体を支え、地面から飛び出した大木の根に座らせた。
「いつからだ?昨日は何ともなかっただろ」
ガンダスは汗が染みこんだシャツで鼻の下の汗を拭い、メサドの目線までしゃがんだ。
「はぁー・・・はぁー・・・わからない。昨日の朝、着替えるときに見た」
「しかし、昨日の仕事の時は・・・!。昨日の荷物は軽かったか。それに今日ほど遠くない」ガンダスは考え込む格好になったが、いつも考えることなど無いため、どうも変な画に見えた。
「大丈夫だ。さぁ行こう・・・はぁー。あっ!」メサドは立ち上がったが、力が抜け、その場にまた座ってしまった。「ほらっ、まだ座っていろ」
ガンダスはメサドの肩をポンッと叩き、転がっている荷物を弄りに行った。
「足が元気になったら、俺の後を走って追ってこい」そう言い残して、荷物を担(かつ)ぎ走って行ってしまった。しかし、1人で運ぶとなって速度は随分と遅くなっていた。
しばらく、メサドは5分休憩し、ガンダスの後を追った。それも10分もかからず、ガンダスに合流した。それも2つ目の山の中腹部分で。
地面に垂れ流しになるほど、ガンダスの体から噴き出す汗は大量だった。1人で担いでいた荷物を今度はメサドに託した。
「メサド、1人で行けるのか?」「当たり前だろ」
しかし、その荷物を1人で担ぐと、支えきれず荷物ごとその場に倒れてしまった。ガンダスは大笑いしながら、その荷物をメサドとともに持ち上げた。「まだまだだな」メサドを荷物から引き離し、荷物を地面に置いた。
「一緒に行くぞ。俺はもう大丈夫だ」そう言って片側を肩に背負い、もう片側をメサドの肩に乗せた。ポケットから球型の時計を出し、時刻を見た。
「もう時間がない。さっきよりダッシュで行くぞ!」
「あい!!」
ガンダスとメサドは強く踏み込み、また走り始めた。
ガンダスとメサドは2つ目の山を越え、届け先に着いた。
大きな村だった。ガンダスとメサドの住む本当に小さな村とは違って治安も良く、上に為政人がいた。しかし、森林の中にあったのは変わりなかった。それでも人の住みやすいように改良されていて人も人らしく、木も木らしかった。メサドはそこに初めて来たらしい、興味津々の目で辺りを眺めていた。外で働いていた人々はガンダス、メサドを不審な目で見ていたが、大きな荷物に目をやり、運び屋と判断し、またすぐに仕事に取りかかった。メサドはガンダスの後ろを歩きながら、左右を見ていた。
「ガンダスさん、ここ変・・・だ」メサドは呟いた。ガンダスは後ろから何か聞こえてきたが、何を言っているのか分からず、メサドの方に顔だけ向けた。
「何だ?何か言ったか?」メサドはガンダスが自分の方を見ているのを気付いていながら、ずっと左右を見ていた。「変だ!ここは変だ!水がない。湖らしき物が全くない!」
メサドはガンダスの方を睨んだ。
「湖?そういや無いな。それの何処が変なんだ?」
「いや!この星は水でできているようなものなんだろ!なら!」なかなか外の世界へ出して貰えなかったメサドは新しい村に来て相当興奮しているのだ。
「湖が全ての村にあると思っていたのか?はっはっは。そんなわけないだろう!」
2人は村の大通りに出た。先程までとは違い、家も木製のものでは無くなってきた。素材すら2人には分からないほど綺麗で滑らかな壁だった。反射して自分の顔が見えるほどだった。通りも整備されていて2人の土の付いた靴で歩くのが申し訳なかった。そして、靴の歩くコツコツという音もメサドは初めて聞いた。
「すごい!こんな所――初めてだ」メサドは上を見た。頭上には透明な天井があった。それを見てメサドはまた興奮した。荷物の重さは完全にメサドの頭の片隅に追いやられていた。こうして2人が歩いていると目の前に扉が見えた。先程の反射する程綺麗な壁と同じ素材の扉だった。そしてゆっくりと扉が開き、眩しい部屋が見えた。
「お越し頂きありがとうございます」部屋の端(2人の前の扉と向かい合った反対側)の椅子に座っていた老人が言い、立ち上がった。そして長いマントのような物をヒラヒラさせ2人の前に近付いてきた。
「遅れて申し訳ない」とガンダスは深くお辞儀をし、それを見たメサドも同じくお辞儀をした。「中に入れ」と老人は2人を招き入れた。
天井は光灯が埋め尽くし、壁には弧を描く真っ白の柱がむき出しになっていたが、逆に清潔感があった。そして何かの紋章のような円が描かれた床から2つ椅子が現れた。
「そこへ座りに」と言われたので、渋々2人は座った。2人は運ぶだけなのでこういうことは面倒なのだ。「ようこそ、サーライス村へ。あなたは一度来たことが?」
彼はガンダスを見た。ガンダスは黙って礼をし、話を続けさせた。
「もう1人のお方、名前は?」「メサド・バームルです」メサドと老人は頷きあった。
「さて、あなた方に運んで貰ったその荷物、中身は気にならぬか?」ガンダスは断ったが、彼はメサドの方をずっと見つめていた。メサドは気まずくなり、ガンダスの方へ目をやった。
「彼も、知る気はないと言っています」ガンダスはメサドの分も答えた。
「そうか、残念だ。ここへはまだ居るのでしょうか?」
「いえ、もうそろそろ次の仕事もありまして」これもガンダスが答えた。老人はまたメサドを見た。メサドは「はい、同じく」とだけ答えた。
老人は立ち上がり、「なら、時間が少しでもあれば、休まれよ」と言い、2人を部屋から出させた。
部屋から出た2人は大通りをまた歩いていた。「結局、あの人の名前わからなかったな」メサドが呟いたのをガンダスは聞いた。「彼はこの村の長みたいな者だ。お前に名前は喋ってくれないだろう」メサドはそれを聞いて立ち止まった。
「何故?」「メサド、お前が若いというのもあるが、彼は親しい者にしか名前は言わないみたいだ。彼を狙う者を少なからず居るからな」ガンダスは立ち止まりメサドを見た。「そうか」メサドはまた歩き出した。ガンダスも歩き出し2人は並んだ。
「次世話になるときがあるかもしれないし、名前を教えておいてやろうか?」
「いいのか?俺に。初めて会った俺に」メサドはガンダスの顔を覗き込みながら言った。
「名前を呼んで話せば、向こうも上機嫌になるしな」メサドはその言葉に1人で頷いた。「彼の名前は『アリアヌ・キイド』」メサドはその名前をその場で頭に叩き込んだ。するとガンダスは何か閃いたかのように、立ち止まった。
「それよりも、今日運ぶのが遅れたな?」「あ!」
2人は大通りを出た。
「村長にこっぴどく叱られるな。あっはっは」ガンダスはまた大笑いをした。そして、2人は自分たちの村へ走った。
七、
真っ暗な宇宙に浮かぶ惑星の一つギマール。人類が未来都市として夢見てきた星だった。高層ビルだけが建ち並び、車が宙を駆けめぐり、それを支える町は海の中に浮かぶものだった。そのギマールの中にある一つの大都市、為政者だけが暮らす町の一郭にサルファード達が住んでいた。たくさんの円盤のような部屋が1本の柱で支えられているところに彼らは居た。その1室、内部も真っ白の壁で覆われ、部屋の中央には立体テレビがあった。そこの映像にジーバスが映っていた。そして、今サルファードと隣りで手を繋いでいるシリウス(5歳)はジーバスと向かい合っていた。
「ジーバス議長、君のザンバノン軍と共にクルタウロンへ向かって貰いたい」
「正気ですか?!」映像が少し左右にぶれた。「あの国は武器庫のような物です!」
「だから、そこを潰せば、共和国は我らに白旗を挙げるしかなくなる」
サルファードはニヤリと口を開いた。「君にその役目を任せた、何故かわかるだろう」
「しかし!我らの国はどうなるのです!」また映像がぶれた。「あの国と戦えばこの国もただでは済まない。被害は莫大だ」
「なら、君には議長を降りて貰った方がマシかな?」サルファードはにやけた顔でシリウスを見た。シリウスは彼の顔を見た後、サルファードよりも酷い笑顔を見せた。
「わかりました。その任務、喜んでさせて貰います」ジーバスは片膝をついた。
「帝国と共和国の停戦状態を抜けるのだ。ジーバス議長よ、帝国に光をもたらせ」サルファードは手元のボタンを押し、映像を消した。
帝国ザンバノン。ジーバスは薄暗い部屋―天井の光灯は消えており、パネルやボタンの光が漂っている―に1人立って、ギマール国と交信していた。
「帝国と共和国の停戦状態を抜けるのだ。ジーバス議長よ、帝国に光をもたらせ」サルファードはそう言い残し、手元を何やら弄った後姿を消した。消える直前、サルファード特有のいやらしいにやけ顔を見せた。ジーバスはその顔に心底嫌気が差しており、彼の姿が消えた直後に前のパネルを殴った。ドン!と鈍い音が鳴っただけで、ヒビすら入らなかった。
「くそぉ・・・」それまで話していた声とは違って腹から出たような低い声だった。
「必ず奴は俺が――」震える手で椅子を持ち上げ、床に叩き付けた。脚がへし折られ、床を転がった。「くっそ!!」その椅子を蹴り飛ばし、綺麗に整えられた髪をグシャグシャにした。息が随分と荒れていた。
ジーバスの居る部屋から変な音がするということで異変に気付いた1人が部屋に入ってきた。扉が開き、ジーバスが凄い形相で彼を見たので、部屋に入ってきた男はそこで動けなくなった。
「ど、どうかなさいましたか?ジーバス議長」その男はその場で姿勢を正した。
「はぁーはぁー・・・サルファード議長からの指令だ。クルタウロンを襲えとのことだ。そうだな・・・奴等は新たな武器を作っていたと聞いたが、それを運ぶ時を襲う」
「は、はい!了解しました!」「クルタウロンのニーナ女王を殺せ」
「了解しました。ジーバス議長!」ジーバスはその男の側へ歩いていき、肩を叩いた。
「今からはジーバス指揮官と呼べ。クルタウロン攻撃部隊指揮官と」ジーバスはそのまま部屋から出ていった。
帝国ギマール。ジーバスの映像が消えた後だった。シリウスがサルファードの手を強く握った。「ピサラルド」とだけ呟いた。
サルファードはしばらく思案した。
その後、壁に設置されているパネルの方へ歩いていき、『交信』ボタンを押し、出てきた宇宙の座標にグローダンを入力した後、また立体テレビの前に立った。
帝国グローダン。広い透明な廊下をスターキーは走っていた。そして、ある部屋に着いた。扉の前で立っていた男から小さな装置を渡された。それを受け取り中に入った。ザンバノンのジーバスの居た部屋と同じような場所だった。しかし、周りではスターキーの軍の者と思われる人々がパネルで操作していた。そしてスターキーは中央の立体テレビの前に立った。
手に持っている装置に暗証番号を入力した後、装置を手元の機械に装着させた。すると、立体テレビにサルファードの映像が出てきた。
「申し訳ない。遅れました」スターキーは服を整え、サルファードを見た。
「スターキー副議長、久しく会っていないな。同じ国の議員でありながら。さて、世間話はどうでもよい。君にはピサラルドへ向かって欲しい」
「?」スターキーは状況が掴めなかった。
「帝国と共和国、第2次宇宙戦争が始まり、終わって講和を結んだものの、それは形式であり本当のところ今は停戦状態を同じではないか?そう思わぬか?我が友よ」サルファードはまた微笑んだ。
「はい。共和国と結んだ講和に争いを起こさないとは書いていない」スターキーも笑った。
「その通り、始めとしてピサラルドを攻撃して貰いたい」「ピサラルド?何故そんな田舎を?」
「座標を渡さなければ、分からぬのか?」サルファードはスターキーを睨んだ。スターキーはしばらく考えた。そして閃いたかのようにサルファードの顔を見た。
「そこをおさえれば、共和国を挟み撃ちにできる!」「その通り!」2人は互いに勝ち誇った顔で睨み合った。「了解しました」
「では、任せたぞ。成功すれば、帝国の復活も夢ではない」2人は笑いを堪えきれなくなった。しかし、スターキーは不安げな表情でサルファードの顔を見た。
「クルタウロン・・・あの国は?我らの襲撃中に割り込まれれば、形成は逆転される」
「そう思って既にジーバス議長に指令は出している」スターキーは不安げな顔からまた笑みが零れた。「流石サルファード議長」「では、任せた。時が来れば、こちらから指示を出す」サルファードはボタンを押し、映像を消した。
サルファードはシリウスの顔を見た。シリウスはこれまで以上の醜い笑顔を見せた。
「クルタウロンを襲われ、攻撃元を失い、ピサラルドを攻撃され挟み撃ちの危機に陥る」サルファードはまた笑った。「帝国の復活は目の前だ」しばらく何も映っていないテレビを眺めていた。「外に散歩にでも行きましょうか」サルファードはシリウスの手を引き、部屋を出ていった。
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