RED STONE 増殖☆寄生日記

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December 18, 2006
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カテゴリ: 小説

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!注意!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

今日の話は暴力的内容を多く含みます。苦手な方は読まないようにして下さい。

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 アンタ自身は何にも手を下さずに俺たちを弱らせて、その上で説得したんだ。これで本当の主人だって言えるか?俺は認めないよ。」

 比翼の言い分はもっともだ。一言も言い返すことなんて出来ない。



 薄暗い洞窟内、天上から滴る水の音だけがやたらに大きく響いていた。何かを言い出せばすぐに二人が消えてしまうような気がして、口をつぐんでぬかるんだ地面を見つめた。血の気が引いているのを感じるのに頭の後ろだけが熱い。もやがかかったように思考が霞んでしまっている。

 永遠にも思える沈黙が続いたあと、ふいに連理が口火を切った。

「証明してよ」

「・・・え?」

「僕たちを使役するに足るテイマだって、証明して。それができなければ、ここを出たあと僕らは自由だ。」

「証明なんて、どうすれば・・・。」

「そんなこと自分で考えてよ。」

 嘲るように言い放った。

 要するに私自身の力を示せということか。

 召還獣を呼び出しかけ、やめた。使ったらズルになるだろう。あくまで私自身の力でやらなきゃいけない。連理と比翼は少し離れたところでこちらを見ている。

 この広い洞窟ダンジョンの中で、私は本当に独りになってしまったんだ。悲しくて不安で涙があふれた。でも泣いてばかりいられない。ここで何も出来なかったら二人を失ってしまうのだから。








 笛をしっかり握り締め、先へ進んだ。ケーブ族が一人見える。他に仲間はいないようだ。そっと背後から忍び寄り、力を込めて後頭部に笛を振り下ろした。

「ギャア!」

 鈍い手ごたえが腕の骨全体に振動する。頭の飾りが飛び、ケーブ族は憎悪に燃えた目でこちらを振り返った。

 怖い!

 反撃の隙を与えないように、すぐ第二打を狭い額の中心に思い切り打ち込んだ。

 細い笛の先が裂傷を与えたらしく、血しぶきが上がり私の頬にかかった。粘度のあるどす黒い血は肉が腐ったときのような異臭を放っていた。

 気持ち悪い、吐きそう・・・。そのとき痛みのあまりケーブ族は棍棒を落としてしまった。返り血に怯んでいる場合じゃない、チャンスだ。防具に守られていない頭部を中心に夢中で打ち据える。この動きを止めたら、殺されるのは自分だ。強く打ちすぎて笛を持つ私の手にも血が滲み始めた。

 何度も何度も攻撃を加えているうちに、手のひらや腕の痛みが麻痺していく。そして何故か陶然となっている自分に気付いた。

 ガシッ、ガシッ

 自分が何をしているか、もう分からない。この繰り返しの動きだけが私を支配する。

 何も考える事が出来ない。この思考の空白は快感とも思える。血の臭いが充満した空間に、ただ殺戮の音だけが響いていた。

 ガシッ、ガシッ

 ケーブ族の頭蓋骨が割れたようだ。さっきより手ごたえが柔らかくなった。笛をさらにその下に突き通せば、その脳の感触はどんなだろう。

 しかし、ケーブ族はその前に崩れ落ちてしまった。勝ったのだ。しかし彼の死体を見下ろしても何の感情も沸いてこなかった。

 顔も服も手も血まみれだ。やっと不快感を感じて顔を手の甲で拭った。連理と比翼はさっきと同じ位置でこちらを見ていた。彼らの目には何も映っていないように見えた。それに対して今の私は何とも思わない。すべての感覚が閉じてしまったようだ。全てのものが虚ろに見える。

 もうどうでもいい。どうでも。

 次の獲物を探そうとケーブ族の死体に背を向け歩きかけたとき、背中に強い衝撃が走った。

 生きていたのだ。

 倒れてみせたのはこちらの隙をつくのと、棍棒を拾うためだったらしい。慌てて笛を構えたが、今度は膝のすぐ下あたりを殴られた。痛いというより熱い。思わず膝を抱えてうずくまると、頭部に打撃が加えられ始めた。

 殺される。でも仕方がない、私が先に殺そうとしたのだから。

 怒りで燃えたケーブ族は間断なく後頭部に攻撃を加えてくる。このままだと脳漿を飛び散らせて死ぬのは自分なのだと悟ったとき、さっきのうつろな感覚から目が覚め、急に死が恐ろしくなった。

「助けて、連理!比翼!」

 閃光が二つ走ったと思った瞬間、どさっという音がした。恐る恐る目を開けると、連理と比翼が私を守るように立ちふさがり、ケーブ族は今度こそ本当に絶命していた。

 もうだめ、助けを求めてしまった・・・。

 助かったという安堵感、そして何をやっていたんだろうという思いがぐるぐると回った。体の痛みより、彼らを失ってしまう哀しみの方がつらかった。座り込んだまま、膝に額をつけて声を押し殺して泣いた。





つづき



 まだ続きます。思ったより長編になってしまいました(;´Д`)ハァハァ 

 暗い話で(m´・ω・`)m ゴメン…






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Last updated  August 22, 2009 12:27:36 AM
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