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February 16, 2005

『頭蓋骨の中の楽園』浦賀和宏

(2)

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91837)

カテゴリ： ♪本の覚え書き♪

彼女の死と殺害方法はミステリ小説の中で何故か予告されていた。そして再び発見される女子大生の首無し死体。
異常なる連続殺人を調べるうちに首を切断して自殺した作家たちまでいたことが…。
感情のなくなった安藤直樹、彼に興味を持ち始める穂波。調べ始める人すべてを巻き込んでゆく「世界の謎」とその驚愕の「切断の理由」とは…。

『記憶の果て』『時の鳥籠』に続く安藤直樹をとりまく３作目となります。

知らない方がいいこともある。だがそれを知ろうとするのはお前の自由だ。知って後悔するのも同じように自由だ。

この本の中でめったに語らない安藤が後半でこう語ります。そして安藤はいくつかの確認作業を始め、やがて長～い連続殺人の謎解きが始まります。

それまでのたくさんの出来事や事件は点々と紹介され、多くは菅野香織のことをひそかに想い、こんな無表情な安藤に興味を持ち、大学内では安藤の友達といわれる穂波により語られています。

『記憶の果て』から登場してこの作品の中でも時々現れる飯島、穂波の妹、殺された菅野香織の婚約者で刑事の田上、その上司の鬼刑事、作家の藤崎葵などなど最初の作品から登場人物がますます増えて、頭の中で記憶を呼び戻すこと数回。やはり私のような忘れっぽい人間は続けて読まなきゃだなぁと反省（笑）。

最後に「俺は何時も、裕子と一緒だ」という一言は、普通の少年だった頃の安藤直樹を一瞬にして思い起こさせ、それから経てきた物語の重さを感じさせられました。今回も異常さを感じる内容でもあるのですがひきこまれてしまいました。こういう世界にはまって、次が気になって仕方のない私はある意味暗いのかも～（笑）。

読み終えてすぐ次作の『とらわれびと』を借りるべく図書館へと歩き出す私でした。

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