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June 15, 2006

『バガージマヌパナス』池上永一　

(2)

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91883)

カテゴリ： ♪本の覚え書き♪

なまけ者、でも誰よりも島を愛する元気な少女・綾乃が神様のお告げを受け、ユタになるまでをユーモアあふれる文章で描いた、新しい沖縄物語。

沖縄の言葉で『わが島のはなし』という意味だそうです。

「綾乃は私とは違うからな」とわりきって冷めてもいるのに
「こんな生き方もありだよな♪」とか
「ここまで自分に素直に生きられていいな」
「自分の気持をストレートに出せる生き方っていいな」
と、引き込まれてゆくのです。

綾乃とオージャーガンマーは喜怒哀楽すべてが素直なんです。
綾乃のライバルのカ二メガと張り合うところなどは、よくある暴力表現を読むのとは違って、素直すぎる戦いというか、子供のけんかを見るような「やれ！やれぇ！」という気分で読んでいました。

きっと相手をどうにかしようというわけではないことがわかっている戦いだからなんでしょうね。
ときには対立する、敵対心を燃やすっていうのもいいもんだな。とか思えちゃうんです。

好きで、自分の生まれ育ったところから離れずにいる。
これってとってもうらやましいことだなぁ。

ユタということを素直に受け入れられる物語でした。

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