やっぱり本が好き♪

やっぱり本が好き♪

October 11, 2007
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カテゴリ: ♪本の覚え書き♪





数々のいじめにただひたすら耐え続けた蓮見くん。言葉にするととてもひどいことだというのに、その姿はただ淡々と過去のもとして彼の口で語られているのでさらりと読めてしまうのでした。しかしそうまでしていじめられ続けた彼は一人絶えながら策略をめぐらし、そんな生活からおさらばできる学校を選んで進学します。
なのに一番避けたかったいじめの中心人物と再会してしまいます。
彼の不幸さはどうにもならないのかとがっかりさせられるのですが、そこへ救いの神さながらボクシングで腕を鳴らしたトモイチが登場です。

と、よくある展開で、彼に鍛え上げられた蓮見君が地獄の特訓に耐えて一転弱いものの見方、題名の正義のミカタに変身か!
と思ったら大間違い。
ここからが作者のすばらしいところでした♪


ここからはネタバレになるのでご注意くださいね。。。




この学校には伝説の人物達によって作られた正義の味方研究部があり、トモイチも腕をかわれて入部していたのです。そして部長をはじめ逸材ぞろいの彼らは緻密な計算により、問題を起こす人物に二度と学校内でわるいことができないよう諭し誓約書までとる様子はあっぱれ。
あ~こんな監視役が各学校にいたならいいなぁ、と思えました。

でも作者はそれに疑問をぶつけるのです。本当にそれでいいのかと。。。

後半、何も言わなかったお父さんが今の自分の仕事上の立場の苦しさをちょっとだけ語ります。重くならないように軽く語っているのですが読んでいる私にはとても重く響きました。
リストラを告げる役目を言い渡された父。弱者を無常にも切り捨てる行為に憤りを感じ告げられないというのです。
誰だっていやな役目だし本当にそれしか方法はないのかと思ってしまうわけです。
会社のために大きなことや成績を残したりするような父ではないけれど、そんな自分にもできることを、わずかながらの抵抗でしかないとおもえるのに、少しずつ変わっていく息子を見て自分も実行してみるのです。

蓮見君は部を辞めます。部の仲間達一人一人といろいろな形で語って戦って。でもその姿もいじめられっ子だった彼らしく。
すごいことだと思いました。
自分にできる自分の方法。
自分らしい生き方。
本当の正義。

部を辞めても蓮見君とトモイチが親友であることが最後に一番嬉しかったのでした。
そんな彼らの姿が心地よく書かれていました。
重いテーマであるのにすがすがしい。そんな読後感の一冊でした。





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Last updated  October 30, 2007 10:22:15 PM
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waxmax1967 @ 黄金柑 こんにちは。はじめまして。 「蝶々喃々…
Re-ka @ Re[1]:音訳って知っていますか?(09/24) 柊♪さんこんばんは☆ 仕事も忙しくなった…
柊♪ @ Re:音訳って知っていますか?(09/24) わ、すごい!素晴らしいですね! 好きな…
Re-ka @ Re[1]:文化祭(09/12) kayokorinさんこんばんは~★ 日々家族そ…
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