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December 11, 2007

『佳人の奇遇』島田雅彦

テーマ：今日どんな本をよみましたか?(91785)

カテゴリ： ♪本の覚え書き♪

今夜、コンサートホールに奇跡が起こる
ある日、コンサートホールに集まった人々超問題児のオペラ歌手と即席マネージャー、マエストロと過去の女たち、大学講師とOL……それぞれの恋の行方は!?島田雅彦による最新恋愛小説

突然ですが『のだめカンタービレ』をドラマで見て子供と千秋先輩のファンになった私です（笑）。この物語は同時解説つきでクラシックを聞かせるというもので、超初心者の私にはうってつけのドラマでした。しかもドラマですから流れる音楽もメインのところばかりで、どこか聞いたことのある音楽がさらに興味を引くんです。

そんな後だっただけに本の紹介文に『マエストロ』とか『オペラ歌手』そして『演奏』に『ホール』という文字をみつけて予約を入れた本でした。

面白かったです。想像していたよりもとても読みやすく、極上のドラマのようでした。

『ドンジョバンニ』演奏日までの様々な人の思いや生活が個々に描かれその時を迎えるという物語でした。

登場人物も多才で、めちゃくちゃあがり性で我がままなオペラ歌手と、元ホステスのにわかマネージャー。この二人の会話はかけひき的で面白かったです。
大学で哲学を教えるオオタケンタに片思いする春香は、すぐには本人の前には現れずあの手この手で興味を持たせる仕掛けが映画の『アメリ』のようでほほえましく面白かったです。

そして最高のマエストロでありながらドンジョバンニさながらのプレーボーイぶりで語られる指揮者が最後に見たものとは。

この演奏を聞いたら路上生活に入ろうと決意したウエシマのゆくえ…そしてどこかでつながっていく占い師。

それぞれどこかでニアミスしながらも別々の道を進みドンジョバンニの公演を迎えます。

人生いろいろながらも、おだやかでさわやかで読後感のいい物語でした。
二度読みがお薦めです♪

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