ここらでちょっと途中下車

ここらでちょっと途中下車

2007.10.29
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それで、地元の病院で治療を続けることになった。
N医大から、彼女の地元の病院までは車で約3時間。移動で疲れなければ良いのだが。

先週の月曜日、12時の診察時間より早めに彼女たちの病室に行くと、SさんもEさんもちょうど車いすに乗せてもらったところだった。昼食後、シーツを替えるので、それまで乗っているという。その時のEさんの車いすに乗る限界は2時間ぐらいだった。
いつもは、午前中リハビリの治療があるけれど、ちょうどその日はリハビリの先生が出張でお休み。SさんとEさんを誘って、食堂のモーニングセットを食べに行った。Eさんの車いすは、私が押していった。
入院して3か月、いつも病院の給食で、食堂で食べたことがなかったそうでとても喜んでくれた。
10.28a

入院中は途中までしか聞けず、退院してから診察日の2回、続きを聞いた。
彼女の話を聞くと、お寺さんとか、拝むとか言う言葉が多く、何か宗教を信じているのかなと思い聞いたら、小学校の時お寺の住職さんと一緒に京都へ旅行に行った時の印象が強いそうだ。唯一の旅行経験で、その時に聞いた話が、自分の生きる支えになってきたという。
それ以降、結婚の時九州の彼の家へ行ったのと、両親と町内の旅行に行ったのだけで、旅行の経験がないという。それを聞いた時、私は少しショックを受けた。長い闘病生活と、家族の介護、私より3才若い彼女の今までの人生の厳しさは、私の想像を超えたものだった。退院したら車いすを積んで、私がどこかへ連れて行ってあげたいと思った。
彼女の話を聞いていると、言葉があふれてくるという感じで、今まで他の人に話したかったことがいっぱいあったんだろうなあと思えてくる。私は、彼女の話を、ほとんど彼女が話すままに書いている。
最初は、普通の体験談のように気軽に考えていたが、彼女の人生そのまま聞き取って書いていることの責任の重さを感じている。


彼女は、私と出会って、もう一度人生をスタートしたいなあという気持ちになったそうだ。
両親が亡くなって、もう一人で自由にできる。
これからは、もっと今まで出ていなかった世界に出たいなあという気持ちになったそうだ。
責任もって、最後まで書かないとなあ。
足が良くなったら、M市の病院までとことん追いかけていこうと思っている。







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最終更新日  2007.10.29 22:07:10
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