オリンピック観戦オタクとして今大会一番衝撃的だったのが男子バレーの決勝戦、ブラジル対ロシアの対戦。1~2セットのブラジルのバレーを見て愕然とした。お家芸の高速コンビバレーが完璧、さらにどんなボールでも拾って攻撃に繋げて、しかも決めてしまう。まるで大人と子供のようにロシアが圧倒されていた。過去にこんなチームがあっただろうか、もう永久に他の国は勝てないんじゃないかと思った。
ところが不思議、3セット目に入りロシアの高さが発揮され、ブラジルにミスがいくつか続いた所から流れが変わってしまった。おそらくブラジルの選手が、そんな一時の流れを気にせずに2セット目までのノリノリの気持ちで行けば、負けようがなかったはずだ。ロシアの高さ・強さを意識した瞬間からすべてがおかしくなってしまったように見えた。結局そこからロシアの3セット連取という信じられない逆転劇となった。
秀行先生の数ある名言の中でも、一番の名言と思うのが「錯覚している奴が一番強い。」という言葉。まさに勝負の真髄を突いた言葉。自分が強いと信じられる選手が勝つ。しかし、この言葉は強烈な皮肉も入っている。自分が強い、あるいは正しいと思っていることは実は錯覚なのだ。それに気づいた時に、上達し次のステップに進むチャンスが生まれるのだろう。何とも不思議だ。
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