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2017年12月20日
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テーマ: 哲学・思想(194)
カテゴリ: 読書
『荒ぶるスサノヲ、七変化』




 P185


 「天台本覚論」とはなにか。
 じつはなかなか難渋な教義だが、仏教哲学者の田村芳郎
氏の研究をもとにして、できるだけわかりやすくまとめて
みよう。

 一般に天台本覚論(本覚思想)と呼ばれる教義は、平安時
代末期に天台宗内部から生み出されたもので、鎌倉時代以

 その内容は、煩悩と菩提、生死と涅槃、永遠と現在、本
質と現象といったような二元的に対立させる考え方を突破、
超越して「絶対不二」という境地を追求する教え、という
ことになる。




 最初の段階では、二元的に対立しているものは見かけ上の
ものにすぎず、その対立を超えた「仏」の普遍的な真理があ
ると考えられた。
 こうした二元的な対立を突破・超越した果てに、現実に降
り立つと、二元的様相の現実をそのまま絶対肯定していくこ
とになる。

れてくるのである。
 さらにそれは日常生活そのものを肯定することで、人間が
欲望にまみれ苦しむ「煩悩」の状態が、そのまま悟りの境地
たる「菩提」の実現であるという「煩悩即菩提、無明即涅槃」
といったキャッチフレーズも生まれてくるのである。




 各々の思考の至るところは同じではないが、天台宗の本覚思
想が、思考様式として、ヘーゲルの弁証法それに類似している
ことに感心する。

 日本には「神も仏もあるものか」という表現で、「神」と
「仏」をいっしょくたにしているが、キリスト教の「神」も案
外近いところもあるようだ。






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最終更新日  2017年12月20日 18時00分19秒
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