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2020年04月26日
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カテゴリ: 政について
​​ ​ 日本は、「あたりまえ」、「普通」を社会が共有することで「空気を読む」社会が成り立っている。
 平時はそれもよかろう。
 だが今は「有事」であり、平時の
幻想に基づく国家的政策の立案、実施は犯罪的な行為となり得る。
 公明党、野党各党が実施を迫る「国民1人当たり10万円支給」を安倍首相は固く拒んできた。
 与党自民党の二階幹事長も実施を迫っている。
 安倍首相は岸田政調会長を盾にして、のらりくらりを続けている。
     ​

ピント外れ支援策の根底に
「昭和の遺物」的思考
河合 薫  健康社会学者(Ph.D.)
2020年4月14日 日経ビジネス

 ご承知のとおり、安倍晋三首相は4月7日に発出された緊急事態宣言の記者会見で、「GDPの2割に当たる事業規模108兆円、世界的にも最大級の経済対策を実施することにしました」と胸を張った。
 30分超にわたるスピーチの中で「そっか。この言葉をどうしても言いたかったのね」と確信するほど、ドヤ顔で「世界最大級」を誇張した。
 が、経済に詳しい人たちによれば、108兆円のうちいわゆる“真水”はごく一部だという。
 お恥ずかしい話であるけど、“真水”という言葉は初めて知ったので、あれやこれやと読みあさるも門外漢の私には、いまひとつ“真水”の意味が分からない。頭ではなんとなく分かるが、“108兆円の裏事情”の真意をのみ込むことができなかった。
 「張りぼてだよ。見かけは立派だけど実質を伴ってない。つまりね、 108兆円のうち半分近くが企業への融資で、あとから戻ってくるの。諸外国の支援策とは全く異なるのに、最大級とかよく言うよ。支給のスピードも遅い。労働者を保護しようとか支援しようという気もなければ、責任も取りたくない。官僚が考えそうなことだ」 (元財務官僚)
   …(略)…
     ​
 あくまでも主語は「世帯主の収入」なので、妻の収入が無くなり生活が苦しくなっても、もらえない可能性が高い。
 つまるところ、この国を動かしている思考の原理は「昭和の遺物」であり、妻の収入が「ゼロもしくは家計の補助程度」だった昭和を前提に「世界的にも最大級の経済対策」は練られた。
​​  で、この昭和的発想こそが、今の日本社会の問題であり、社会の仕組みから“こぼれる人”を量産し続けているのだ。
  …(略)…
     ​
変わらぬ長期雇用の会社という
モデルも崩壊へ
 「長期雇用の正社員の割合」はおおむね維持されている。
 意外に思うかもしれないけど、昭和の一般的な働くカタチと信じられている長期雇用の正社員の割合は変わっていないのだ。
 具体的には3割。
 昔も今も長期雇用の正社員は3割しかいないのだ。
  …(略)…
     ​
 これだけ「カタチ」が変われば、ひずみがたまって当然である。
 だが、そのひずみから“出血”したときの処置は、小さな絆創膏(ばんそうこう)を貼るだけだった。傷口を探し、なぜ、その傷ができたのか?を考えることもせず、ひたすら目先の対症療法を講じてきた。
 今回のような緊急事態でも「安泰」でいられる人たちには、「カタチの変化」にリアリティーを持てない。
 どんな数字を突きつけられ、どんなに出血が止まらず命が脅かされる人が続出しても、彼らの「カタチ」は昭和のまま。
 さまざまな変化の中で、彼らの思考の中で「昭和のカタチ」だけは維持されるのだ。
​​  何度も書いているとおり、経済的格差、社会的格差がもともと深刻だったところに今回は突発事態が生じ、それに耐えられる体力のある強者とダイレクトに影響を受ける弱者の溝が一層深まった。
  ― 引用終り ―
     ​
 4月16日、安倍内閣はようやく一人10万円の支給を決定。
 全員支給は時間がかかるというが、低所得の審査にかかる時間とそう変わらないはず。
 路頭に迷う人の激増、生活保護の激増そして治安の悪化よりはるかにマシだ。
     ​
​​  安倍首相や高級官僚の「普通の人」は、長期雇用の正社員で夫と専業主婦の妻と子供二人の家庭と思わせる、政策立案ぶりだ。
 歳費を得ている政治家と公務員の収入が変わらないのであれば、その収入を減らし、はるかに大多数の「その他の国民」にまとまった現金を即時支給することが、社会の安定を保つ政策であり、政治にしかできないことだ。
 ドイツなど、社会保障が日本よりはるかに厚い国でできて、日本で実施できないというのは、得意の経済・財政施策、アベノミクスの施策立案の現状と著しく乖離した前提で考えるからだろう。
 そうであればこそ、巨額の予算をかけて各戸マスク2枚配る「アベノマスク」を恥ずかしげもなく実施するに至るのであろう。
 国(内閣とそのブレイン)には無理な「旧体制温存」の発想から脱して欲しい。
​​​





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最終更新日  2020年04月26日 12時00分07秒
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