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眼内レンズ毛様溝逢着後に発症する遅発性の眼内炎では、その誘因として逢着糸の結膜上への露出が原因として考えられるが、長期間経過後に急性の眼内炎として発症する事があり、発見次第結膜による被覆が必要である。
緑内障手術後の眼内炎は白内障術後に対して4~100倍!と桁が違う危険率があるが、その発症には遅発性のものも多いので、緑内障手術後の患者様はとにかくしっかりとフォローしておいた方が良い。→私も絶対に月に1回は診せて頂くようにお願いしている。
最近発売された 高濃度の抗菌剤のレボフロキサシン点眼液1.5% は凄い。(当院での実際の使用経験についての日記は こちら )
白内障術前の減菌療法で使ってみるとやはり予想以上に効いている。ただ、強力すぎて菌の陽転化、交代化を引き起こした事例もあったので、これが白内障術後の眼内炎対策としてベストかどうかは、今後の検討を要する。
PAヨードによる白内障術前の洗眼消毒は術前減菌法として最も一般的だが、その微生物不活性化にはいくつかのポイントがある。それは、低濃度は無効(4~8倍希釈でOK)、菌接触時間は60秒以上必要、ということである。→要は消毒してから少し時間を置かないと効かない・意味がない、ということ。私もいつも気をつけている。
ヨーロッパでは ESCRSスタディ(この内容について私が以前言及した日記は こちら ) 以来、白内障手術終了時の抗菌剤前房内(ぜんぼう:目の中のこと)投与が一般化しつつあるが、日本ではまだほとんど普及していない。具体的な数字で言うと、今回のアンケート調査では日本(2011~2012)では1%!、ASCRS(2007)では16%、イギリスでは(2008)14%、同じく2年後のイギリス(2010)では普及が進んで42%となっている。
前房内投与を選択しないヨーロッパでの術者の理由は、誤投与、汚染、毒性のリスクなどを懸念してのものであるが、日本国内では手技そのものがほとんど認知されていないのが問題である。
白内障手術終了時には前房内は10~40%の率で汚染されていることが知られており、抗菌剤前房内投与は安全性・有効性の評価、信頼できるプロトコールの作成等の課題はあるが、もっと認識・議論されるべき手技である。→今回の全ての一般講演の中で最も素晴らしい演題で感銘を受けた。私自身もこの手技に対しては分析、検討を続けており、以前の日記でも その具体的なやり方と有効性について考察 をしているが、少なくとも破嚢などの合併症があった症例では絶対に採用すべき手技であると、個人的には考えている。
毎年のことですが、この日本眼感染症学会の「眼内炎」のセッションはべらぼうに面白くて勉強になります。来年もまた絶対に参加したいと思っています。(続く)
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