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2007.07.12
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カテゴリ: つぶやき

 何かと家庭内を騒がしていた姉の最強のお話、
 久々にいってみます。



 あれは、かれこれ20数年程前。
 巷ではイケメンをPVに出演させるなど、
 話題にも事欠かないマドンナなどが流行っていた頃。

 両親が仕事の関係で、姉と私を残し、地方に何ヶ月か
 赴いていたため、私は姉と二人暮らしをしていた。


 なんだか曰くつきの家だった。

 家族が揃わないのである。引越して直ぐに両親は
 いなくなるし、専門学校に通っていた私は、何故だか
 その家に帰るのが嫌で嫌でしょうがなかった。

 両親がいないのをいいことに、バイトに明け暮れたり
 友人宅へ泊まり続けたりして、家に帰らない日々が
 続いていた。

 そして、ある晩のこと。
 居間で1人テレビを見ていた私・・強烈な睡魔に
 おそわれ、そのままこたつで眠ってしまった。


 夢うつつの頭のなかでは、
 こたつで寝ていればこんなもんだ~と
 起きるのが億劫なので、そのまましばし我慢
 していたのだが・・

 次の瞬間、強烈な重みを胸の上に感じた。

 今でもあの感覚は覚えているが、完璧に誰かが
 乗っている。絶対にのっている。
 苦しくて息も出来ない状態。

 怖いけれど、声も出ないし、目をあけることも
 出来ない。これが俗に言う 金縛りなのか?
 とにかく重い、どいてくれ~どけ~
 と心の中で呟いた。

 しかしまだ重い。からからの声で、どうにか
 声を絞り出した。「どいてください!」

 次の瞬間、丁寧語が功を奏したのか、
 身体が急にす~っと軽くなった。

 しかし直ぐに起き上がるのは怖い。
 目を開けるのもためらわれる。
 うつぶせになり、朝がくるまでひたすら待った。
 もちろん目をつぶったまま。

 そして朝になり、2階に一目散に駆け上がり、
 姉を叩き起こして、わめき散らした。
 こんな怖い体験をしたのだと。

 次の瞬間発せられた姉の言葉に私は凍りついた。

 「あっ、あの人でしょ、あの白い着物の女の人。
  あの人ずっとこの家にいるんだよね。
  あんたは、いつもいないから判んないだろうけど、
  私なんか、この間、階段を登る時、足つかまれたし。」

 まるっきり 貞子の世界観である。 
 姉は随分前からその人とは、顔見知りだったようだ。

 「この土地はなんか因縁めいたものを感じるから、
  早く出たほうがいいね。なにか起こる前に」

 しかし、悪いことは起こった。
 それから暫くして、私は駅に向かう途中の道で
 車に突き飛ばされた。

 原付自転車に乗っていた私は、反対車線まで飛んだ。

 生まれて初めて見た走馬灯の瞬間だった。

 人間とは面白い。あの短いたった2,3秒の間に
 自分の過去が360度スクリーンで
 頭の中をグルグル回り、忘れていた過去までも
 映し出される。

 そしてそれと同時に、飛んでいる自分が
 スローモーションになっていて、回りの光景が
 鮮明に視界の中にも飛び込んでくるという、
 時間を超越した不思議な感覚までも体験した。
 もしかしたら死ぬのかな?とも思った瞬間だった。

           ・・・to be continued





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最終更新日  2007.07.13 01:56:20


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