のぽねこミステリ館

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2007.02.22
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島田荘司『死者が飲む水』


 北海道は札幌署の牛越刑事が主人公の長編ミステリです。昨日読んだ『寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁』に登場した牛越刑事がかっこよかったのもあり、今日は本書を読了しました。いつものように内容紹介と感想を。

 1983年1月14日。札幌署刑事部に電話があり、事件が知らされた。牛越刑事と佐竹刑事は、赤渡家を訪れた。関東方面に住む二人の娘を訪れていた雄造の胴体と足が、二つのトランクで送られてきたという。札幌に住む雄造の妻・静枝、三女の実子、赤渡の秘書兼・運転手の沢入の話を聞くかぎり、被害者は人から恨まれるような人間ではなかったという。
 司法解剖の結果、被害者は溺死していた。その後の調べで、関東圏―利根川の水で溺死したらしい。次女夫婦の住む水戸、長女夫婦の住む東京の警察の協力も得つつ捜査を進めるが、真相に結びつくような事実はなかなか浮かび上がらない。そこで、牛越は、自ら関東へ赴く。

 牛越刑事は1932年5月11日生まれ。この事件のときに51歳ですね。『寝台特急…』に登場する中村刑事とも、この事件で知り合っています。
のんびりしているようで、聞き込みのときは老練さを発揮する、話し方もおだやかとあって、親しみを感じやすい方ですね。
 事件の方も、なかなか面白かったです。なぜ死体をわざわざトランクで送りつけてきたのか。発送元の東京、水戸の夫婦は、実に怪しいにもかかわらず、物理的には犯行が不可能らしい。なんとかそこを崩せないか、と牛越さんも奮闘します。
 裏表紙にも「時刻表トリックが冴える」なんて一言があるのでここにも書きますが、時刻表トリックを崩していくのは私の好みにはあいませんでした。時刻表を見るのは、自分が旅行に行くときで十分です…。ですが、その他のトリックや背景はなかなか面白かったです。





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Last updated  2007.02.23 09:28:09
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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