のぽねこミステリ館

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2008.07.06
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~集英社、2008年~

 下町の古本屋さんを舞台にした、東京バンドワゴンシリーズ第三弾です。新しい家族も加わり、ますます賑やかに堀田家ですが、今回もいろんな事件が舞い込みます。
 それでは、それぞれについて簡単に内容紹介と感想を。
*なお、続き物ですので、前二作もふまえての紹介になります。以前の話で明かされたことを紹介の中で書かざるをえない場合もありますので、ご注意ください。

ーーー
「秋 あなたのおなまえなんてぇの」
 ある日、<東京バンドワゴン>を訪れた若い女性が売っていった一冊の本。その本には、「ほったこん ひとごろし」と、子どもの字で書き込みがあった。
 紺に、何があったのか。本を売りに来た女性について調べるうちに、悲しい過去の事件が浮かび上がる。

 また一つ、二つと、堀田家の知人の輪は広がっていく。

「冬 冬に稲妻春遠からじ」
 クリスマスの近づいてきた頃、アメリカから<東京バンドワゴン>に大量の洋書が届く。送り主は、堀田家とつながりのある人物だった。
 同じ頃、堀田家の周囲にはまた二つの事件がもちあがる。
 一つは、小料理居酒屋<はる>の真奈美さんとコウさんの結婚の話。コウさんには事情があるらしく、結婚は断るつもりのようで…。
 一方、堀田家のまわりに不審な人物が現れる。彼らの目的は、一体何なのか。

「春 研人とメリーちゃんの羊が笑う」
 クリスマス頃から、研人とますます仲良くなったメリーちゃんは、毎日のように堀田家に来ては、一緒に小学校へ行き、帰ってくるときも<東京バンドワゴン>に寄って本を読むようになった。そんな中、彼女の母が堀田家を訪れ、娘が変なことを言ってないかという。メリーちゃんは、羊が追ってくる、堀田家に行けば羊がいなくなる、と話しているらしい。
 不審者が着いてきているのかと考えた研人は、ある日デジカメを持って登校した。その日、研人は、衝撃的なものをカメラに収めたのだった。

「夏 スタンド・バイ・ミー」
 子どもたちは海に遊びに行き、楽しい季節。ところが、またしても問題が浮上する。

ーーー

 なんというか、冒頭から温かい物語で、読んでいて安心します。私はこんな大家族の中で育った経験はないのですが、なぜだか懐かしくなります。それこそ、「刷り込み」かもしれませんが、日本人なんだなぁとしみじみと思います。
 いつものように、それぞれの物語の冒頭には一家の朝食の風景。何人もの言葉が入り乱れているのですが、研人くんの台詞と相手の台詞は拾っていくようにしています(笑) そして、勘一さんの調味料の使い方(と、それへのツッコミ)には毎回笑ってしまいました。
 上の紹介では書きませんでしたが、「春」の回ですずみさんと青さんが京都に行きます。そこでのすずみさんのかっこよいこと!印象的な場面の一つです。あぁ、羊も…(笑)

 ともあれ、温かい物語です。
(2008/07/05読了)





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Last updated  2008.07.06 08:24:17
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Comments

のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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