能登の手染め日記

能登の手染め日記

Jan 26, 2007
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カテゴリ: 染色
パソコンの古いデータの中にネットを始めた頃の日記で染色に関するものがあった。
今はもう削除してしまったものだが、読み返してみると今より良く書けている(笑)ので少し修正と加筆をしてアップ。

◆染色の工程の中に「蒸し」がある◆

私が染色を好きになった理由の一つに「染まる」ということがある。

布や紙に色をつける場合、『塗る』と『染める』という作業をする。
普通、繊維に色を付ける場合、例えば紙の上にポスターカラーで色を『塗る』といい、油絵の麻キャンバスの上に絵の具で絵を描く場合も、繊維の表面に『塗る』という言い方をする。この場合の多くは、紙やキャンバスの裏まで絵の具の色が染みこむことはない。

『染まる』という場合、布や糸(繊維)の内部まで全て同じ色に変わる。裏はもちろんのことである。しかも、基本的には繊維の性質が色の付く以前と変わらない。絵の具を塗り重ねたり金箔等を貼ると繊維の素材は覆われて見えなくなり、布の通気性は無くなる。だが、染めは何回も色を重ねても素材はそのままだから繊維の通気性などの特徴は元のままだ。

繊維がある。染める。乾かす。
染色は、簡潔に表すとこうなる。しかし、これでは洗うと色が流れてしまう。繊維の内部に染料がとどまっていないのである。



そこで、「蒸し」という作業が登場する。難しく言うと「蒸熱処理」

染めて後、洗う前に、80℃以上の蒸気を20分間以上繊維に当て続ける。すると繊維の非結晶部分が変形する。染料色素は入ってきた部分が変形して出られなくなる。これで、洗っても色落ちがしなくなる。

今は少なくなったが京都で木造の箱のような(多くは黒い)家から湯気がモクモク出ていたら、「蒸し屋さん」。染色整理の専門業者さんである。

一般的な草木染の基本は、染液に布を浸して染料が沸騰してから20分間染める。加熱時間が5分や10分では染めた色が長持ちしないというのには、こうした理由がある。簡単なクラフト染めでスチームアイロンをかけるのも蒸熱処理で、ほぼ同じ理由。

資料「蒸し」

友禅では蒸しを行って色素を繊維の内部に留めてから、染色作業で使った糊(米糊、ふのり、カゼイン、アルギン酸など)等の不純物を流水で洗い流す。これが友禅流し。京都の鴨川や金沢の浅野川で風物詩的に行われているが、ほとんどは人工的に作られた川で行う。

繊維に染めるための絵の具を「染料」。水彩絵の具や油絵の具は「顔料」。色素粒子の大きさが違う。細かい物ほど繊維の内部まで入り込む。

色素の大きさはこんな感じ(アバウト:例外もある)
染料<インク<墨<ガッシュ<ポスターカラー<粉絵の具

化学染料の色素は、ほぼ同じ大きさなので繊維全体を均一の状態に染めることができる。一方、植物染料は色々な大きさの色素や染料分以外の物質が入っているので繊維の内部の結合が複雑になり、視覚的には乱反射した色を見ることになる。染料色素は媒染剤と結合し顔料化する。これが草木染の複雑な色合いやムックリ感になる・・・と言われている。

イメージでは草木染の色が自然のものだから純粋に思えるかもしれないが、実は不純物が多く、化学染料のほうが純粋に色素だけで染める。

プリント、型染めも染色。ステンシルも染色の範囲に入れるが、顔料で色付けを行う場合もある。



初記述:2000年7月29日(土) 






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Last updated  Jan 27, 2007 01:52:45 AM
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