能登の手染め日記

能登の手染め日記

Feb 4, 2007
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カテゴリ: 絵・美術について
「時間」

描く素材は何でも良かった。
花、人、風景、一枚の画面の中に「時間」の経過による「物語」を埋め込むことができれば、それでよかった。

芍薬

「花びらの落ちるとき」


着物という仕事柄、花を描くことが多いから、修行の頃も(今でも)花のスケッチが一番多かった。
花を分解し、その花びらの基本形を描き、メシベとオシベを数え、葉の付き方を互生、双生、輪生と幾多のメモを書き込みしたスケッチは、職場の仲間から「あ、また植物図鑑を描いている」と笑われた。

ソヨゴ2

ソヨゴ・部分(ケント紙にアクリル)


模様の世界では、リアル過ぎると気持ち悪い場合もあるので単純化し、その花に見えるように図案化し、観る人の意識と共有できる範囲にまとめることが多い。が、それでも描き手の観察して得たものは表面化する。椿と山茶花は違うし牡丹と芍薬も、あくまでも違う花として描き分ける。

季節ごとの花を描き、花が終われば家の周りの落ち葉をスケッチし、組み合わせた絵を何枚も描いていた30代の頃。

還土.2.jpg

「還土」


紬地の名古屋帯の「太鼓」に染めたものをパソコンに取りみCGとして再加工。
この帯は2~30本の追加があったので、今頃、どこかのお宅の箪笥に眠っているかもしれない(^^


描いたときは花も葉も土に還るという考えはあったが、「時間」を描こうとは思っていなかった。むしろ落葉を素材にして「風」や「音」を意識していた記憶がある。

その後、葉を素材にしたものを何枚も描いているけれど、この時ほどの印象は強くない。今思えば、あの頃から私の内面の根底にあるものは変わらないのかもしれない。
20年の時間を越えても私の絵を描く意識の中で大きな意味を持つ一枚になっている。

一枚の絵の中に時間を描こうとしている私の中で、一枚の絵が20年という時間を超えて繋がっているようだ。

仕事に追われ時間に追われる日々ではある。自由に絵を描けるのは、きっと老後(笑
20年後も生きていたら(私も土に還っているかもしれないが)通算の長い長~い「時間」を総括したいもんだわ(^^







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Last updated  Feb 4, 2007 10:22:32 PM
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