アノニマスアート「誰のものでもない皆んなのもの」
京都で染の仕事を10年間学び田舎に帰って20数年の歳月が過ぎた。身の周りにある植物を染めてデータを取り始めて15年以上になり、地区のおばあちゃん達と1998年4月に草木染教室を始めて今年で9年になる。
「お婆ちゃんたちの草木染」
「草木染教室受講生作品集1998~」
ある時
「お金出すさけ、教えてくだっしま」
というお婆ちゃん達の言葉で、この教室は始まった。
自分たちで「お金を出してでも、やりたい」という言葉が気に入って、私も「無料でいいし、1ヶ月に1回か2回やるぞいね」と言ってタマネギ染めの簡単な教室を始めた。
「センセ、もっと違ご色も染めたいがね~」
と言うので、簡単に染まるインド藍で割り箸の板締め絞りを教えた。何気なく「食べ物に使とる木やったら木のアク出んぞいね」と言ったらアイスクリームの木のスプーンやキャンディの板や蒲鉾の板で締めてきた。少しナイフで削ったらおもしろい形の折り込み絞りができた。
「センセ、こんなが、どうやいね」と鹿子の絞りを縫ってきた。
「ほんなら、図案かくさけ、これ縫うてらっしま」と言ったら、花びらの絞りをたくさん縫って持ってきた。
私はローケツと友禅が専門で、実のところ絞りはあまり知らなかった。手持ちの本をひっくり返したが分からないことが一杯で、図書館へ行ったり新たに専門書を買い求めた。おかげで知らない技法や染めの理論がよく分かってきた。



雨は誰にでも降り注ぐし、川や池、湧き水は誰でもが使ってよいだろうし野山の雑草や雑木は誰が使っても文句は出ない。図案も皆んなで使い、わいわい楽しくやっている。自然が誰のものでもないように、自然から得られたものは誰のものでもない皆んなの作品だ。
でも、やっぱり水の違いと取り組み方の違いで染め上りが違うのが現実。皆んな少しずつ違うのがアートらしくて良いようだ(^^
2007/02/13 草木染のハンカチ写真を追加
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