能登の手染め日記

能登の手染め日記

Mar 31, 2023
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カテゴリ: 日々
能登でロウケツ染めの説明を行うと石川県は加賀友禅の産地なのになぜロウケツ?と聞かれることがある。私の場合は初めて勤めた京都の染色工房が、手描きロウケツの着物を染める会社だった。

その工房には70人前後の人が、染め部、図案部、意匠部、営業部と食堂の仕事に就いていた。私は入社して着物の染め部、模様の意匠部、ポスターカラーで紙の上に描く図案部の仕事を移動した。いわゆるバブル期で、手描きの着物は色や模様に魅力があれば、何を染めても売れるような感じだった。

2か所の工房で10年間に学んだことは能登に帰ってからの染め仕事の基礎になった。ロウで表現する模様は普通の絵や図案や模様とは異なっていてネガとポジが反転するようで魅力的だった。右はロウで描いた状態、左はネガに反転させると染上りのイメージになる。






画像は60歳代の手描きロウケツ模様《夏椿》


全国通販のカタログに掲載されて《テッセン》など何種類かの模様を描いた


時々、彩色も入れてパネルや藍染めノレンにも染めたり

誂えの着物や藍染めストールに染め上げたりもした

ロウの濃淡を使い分けて仕上がりの強弱を操作した

着物の需要が無くなっても草木染めや藍染めの模様には身に付けた技術は役に立ったが、網膜剥離と五十肩で描けなくなって治った今でも描くのが怖くなってしまった。先日、ギャラリーに来られた加賀友禅の作家さんが手描きロウケツを見て、こんな細い線が描けるんですかと言ってもらえたが、もはや七十歳を越えた私では描くことができない(^^;

だが過去を懐かしみ今を嘆くのは賢明ではない!健康であったとしても若い時の表現技術には及ばないのは当然で、高齢になったら年齢にふさわしい表現を探せばよいのだと思うようになった(^^ 老境に入ってしかできない染物があるはず。七十代、八十代にできるロウケツ染めを考えていきたい・・・そういうの、あるかな?(笑)(^^;

ウルシチップが手に入らない場合・・・ウルシチップの作成と販売も行っています。先ず試し染めをしてみたい方はチップ200g送料込み1,100円で販売しています。ご希望の方はshigunaru16@gmail.comまで。染め方のプリントも同封します。チップ200gで繊維200g以上染めることが出来ます。

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