てまり - ねこ の独り言

てまり - ねこ の独り言

2003年10月01日
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カテゴリ: 生活
Uちゃんは小柄で目立たない子だった。

声も小さいし、勉強も、できるって程でもない。

なのに、何故か覚えていることがいくつかある。
体育のお休み友達だった事。
そして、決定的な一つの出来事。

中学1年2学期半ば頃だったと思う。
彼女が学校を休みがちになる。
私は気にしていなかったが、月曜日が多かったようだ。


月曜日に学校を休むのは、日曜日に遊びすぎるからだ。
身体が弱いのなら、日曜日は、月曜日のためにゆっくり休まないと。
その様な事をクラス全員の前で言った。

その時は誰も何も言わなかったが、クラス中でブーイング!!
みんなで、あそこまで言う事は無い!と言っていた。

その後、彼女はよく、お母さんの車で送ってもらい、お昼頃来る事も多かった。

そして、卒業時、卒業名簿が配られた。
それには、住所・氏名・保護者の勤め先・卒業生の進路が書かれている。
彼女の欄は・・・空欄だった。
思わず、隣に座っていた彼女に(3年のときも同じクラス)え?
って言ったら、静かに笑っていた。


2年生の時に、卒業式間近、国語の先生の話があった。
この先生は大変ユニークな授業を行うのだが、
この時はいつになく、真剣だった。

仰げば尊しの話をされた。
(今、卒業式ではこれを歌う所は少ないらしい)


教えの庭にも 早幾年
思えばいととし この年月
今こそ 別れめ いざさらば

この、今こそ わかれめ・・・
昔は今みたいに電話も無く、手紙も簡単には書けず、
学校を卒業したら、皆、丁稚奉公へ行き
簡単には会えなかった。
だから、卒業式の 今こそ 別れめ いざさらば
この部分は今生の別れ。と言われた。

私達みな、ふ~~んって感じでこの先生の話を聞いていた。
私も同じだった。

高校も卒業し・・・20年が経過しようとしている。
実家近くのショッピングセンターへ出かけた。

一瞬びっくりした。
Uちゃん。彼女がそこに居た。
人違いかと思ったが、お母さんと一緒。
しかし・・・

彼女の周りだけ、時間が止まっているみたいだった。
静かに、カートを彼女は押していた。

それから何回か同じショッピングセンターで会った。
いつも黒い帽子をかぶって、静かにカートを押している。

普通は懐かしい顔に会えば、元気?くらいの話をする。
でも、声を かけられなかった。

顔つきから推測するに、頭の手術をしたらしい。
知的障害が残ったと言う感じ。
私が声をかけて、わかるかどうか不明。

それより何より、何だかんだ言っても
私は見た目は普通に、生活している。
声をかけて・・・お母様がなんと思われるか・・・
彼女と、彼女の家族を傷つけたくなくて・・・
私はその場をそっと立ち去った。

この時、今生の別れと、教えてくれた
あの先生の事を思い出した。
彼女は生きて目の前にいる。
しかし・・・彼女の周りだけ時が止まっているような感じ。

親としては、せめて元気な時に、思いっきり・・・
そういう思いで、あの中学1年の時期を過ごした事と察する。
あの時、担任の一言で、彼女がどれだけ傷ついたか・・・

秋晴れの日、そして卒業の時期が来ると
彼女の事を 思い出す。。。





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最終更新日  2004年08月12日 18時25分09秒
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