仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2013.02.10
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カテゴリ: 仙台
蛸薬師は長町駅、長町病院の近く。舞台八幡神社と並んでいる。

その昔、この一帯は海だったらしく、祠にあった御本尊は蛸が薬師瑠璃光如来像に付着してこの地に漂着したものという言い伝えから、この如来像は蛸薬師とよばれてきた。境内の説明板によれば1334年(建武元年)に権中納言藤原朝臣藤房が京都西洞院蛸薬師如来に祈願をかけ、仏像を勧請して淵上蛸薬師としたのが始まりとある。

この蛸薬師はイボ取り薬師とも呼ばれ、イボ取りの願掛けの絵馬が表戸にいくつもかけられている。隣接して舞台成功の祈願成就に御利益があるとされる舞台八幡社が並んでいる。

■仙台歴史探見倶楽部『宮城 歴史探訪ウォーキング』メイツ出版、2010年


仙台平野の津波の歴史研究で高名な飯沼勇義先生によれば、「蛸薬師伝説」は津波伝説の1つであり、具体的には、長町3丁目まで到達し蛸が打ち上げられたというもの。伝説ではあるが、不動の歴史的真実を語り継ごうとしたものである。


長い信仰の歴史と、災害から子孫を守ろうとした叡知。これに対して卑近な話題で恐縮だが、イボ取りの御利益というと、若い頃イボで悩まされた私としても思い当たることがある。

石巻に住んでいた頃だ。別会社の先輩に、イボとり地蔵なら○○○にあるから、行きなさい。その代わり治ったら必ず御礼に再訪すること、と。従順な私は、後日オンボロ車を駆ってお参りに行った。

その場所なのだが、たしか神取橋の旧桃生町側で、橋のたもとのT字路に車を停めた記憶がある。いま地図を開いてみると、神取山に山神社という記載があるが、しっかりした建物ではなくて路傍のお地蔵さんだったように思うし、ひょっとしたらそれさえも想定したイメージであって実際には見つけられずに帰ったのかも知れない。とにかく橋のたもとだった。

程なくして仙台に引っ越し、増殖する一方のイボに悩まされて治療にも努めたが、体中にあんなにあったイボがある時点から潮が引くように見事に消えてしまった。



■関連する過去の記事
イボコロリのこと (2007年8月23日)





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最終更新日  2013.02.10 15:43:44
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