仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2021.11.03
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カテゴリ: 宮城
鹽竈神社は陸奥国一宮と称される東北を代表する神社である。塩竈は、海水を煮沸する釜のことだが、鹽竈神社には塩釜は祀られておらず、本町通りに神器としての塩釜を祀る御釜神社が設置されている。

鹽竈神社の本殿の左宮には武甕槌神(たけみかづちのかみ)、右宮には経津主神(ふつぬしのかみ)、向かって右側の別宮に 塩土老翁神 (しおつちおじのかみ)が祀られている。3神はいずれも古代神話に登場しており、東国平定に派遣された戦いの神である武甕槌神と経津主神が、海の神である塩土老翁神を案内役に進軍を続けて東北地方にまで至ったというのが、3者の関係である。

東北平定ののち、引き返した武甕槌神は 鹿島神宮 の、また、経津主神は 香取神宮 のそれぞれ祭神となったが、塩土翁神は現地に残って人々に塩作りを教えて塩業を盛んにしたため、鹽竈地区の人々は感謝して塩神として祀ることになったという。

ところが、何時の頃からかはっきりしないが​、鹿島神宮や香取神宮から武甕槌神と経津主神の神霊を分けてもらって、一緒に祀るようになって現在に至る。

以上から、鹽竈神社の塩神は、別宮に祀られた塩土老翁神ということなるのだが、全国に塩竈(釜)の名を持つ神社は多数存在している。その多くは、塩竈市の鹽竈神社に願い出て分社として建てられたもので、当然ながら祀られる塩神はすべて塩土老翁神である。なお、正式に願い出たかどうか不明なものも、その塩神はほとんどが塩土老翁神である。塩土老翁神以外の塩神を祀る塩竈神社もあるが、数も少なくその神の由来もはっきりしないものが多い。いいかえれば、日本の塩神は、古くから今日まで、本社である塩竈市の鹽竈神社、分社である全国各地の塩竈神社に祀られている塩土老翁神​ただ1人であるといっても良い。この塩神の塩土老翁神への一元化という事情は、日本の塩神信仰の大きな特色であろう。

■東北学院大学文学部歴史学科編著『大学で学ぶ 東北の歴史』吉川弘文館、2020年 から


東京新橋の神社に行ってみたことがある。また、高松の友人家族を塩竈市の神社に案内したら、四国にも海運の縁なのか鹽竈神社はあると言われ、実際に寄進札版に四国の人の名を指摘されたことがあった。





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最終更新日  2021.11.03 11:01:34
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