仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2022.05.05
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カテゴリ: 宮城
連休の良く晴れた日に角田市内から足を延ばして訪れた。高蔵寺、旧佐藤家住宅や水車、庭園などを包むように農村公園がよく整備されており、そのままに優しく歴史を伝えてくれるようだった。
白石に通じるR113を通ったことはあるのだが、高倉(西根)の旧道沿いの集落、高倉川の桜並木(散っていましたが)も初めてゆっくり眺めることができた。

■勝楽山高蔵寺〔 パンフレットから
819年に徳一菩薩が創建したと伝える。寺は三方が山に囲まれた清閑なところにあり、境内の杉や裏山のカヤ林は数百年を経た古木で他にない特異な景観を呈している。
かつては大門坊、入りの坊、清水堂の三坊を有して栄えたときのことが奥羽観跡聞老誌や安永風土記に詳しく記されている。
阿弥陀堂は宮城県最古の木造建築で、平安時代の治承元年(1177)に建立と伝えられる。平安時代の建造物は全国で現在26しか残らず、阿弥陀堂では7か所だけ、東北では平泉の中尊寺金色堂、福島県白水の願成寺阿弥陀堂とともに現存する数少ない貴重な文化遺産である。
 間口、奥行きともに9.3mの茅葺の御堂の中には、嵯峨天皇御宸筆「高蔵寺」の額、古い阿弥陀如来像、小さな仏像などが保存されている。阿弥陀堂は明治41年特別保護建造物の指定、昭和25年には堂内の阿弥陀如来像とともに重要文化財に指定されている。



■阿弥陀如来坐像(本尊)

 眉目が切れ長く豊麗で、その表情や布の襞の表し方は平安時代の優美な感じから鎌倉時代の力強さへの過渡期の作風。
 平成28年には、94年ぶりに京都で5年間の修繕を行った。

■破損した素木の阿弥陀如来坐像
 堂内に安置されているもので、左胸部が朽損し右腕を失っているが、当時の寄木法がよく観察され、お顔は本尊より古風な柔和な彫り。衣文の彫刻なども浅くおとなしい作風。

■旧佐藤家住宅(国指定重要文化財)
 江戸時代中頃に建てられた仙台藩領の中規模農家の典型的な建物。間口14.8m、奥行き7.8mで、建坪約35坪の直屋(すごや)様式、屋根は寄棟造りの茅葺き。天井は煙出しのためと藩の禁止令のために設けられず、太く荒削りの柱は鳥居造という古式の構造。
 旧佐藤家は車屋の屋号を持ち、古来修験者が住んでいたと伝えられる。もとは高倉川下流1kmほどの高倉字新町佐藤源氏の所有だったが、昭和46年市に寄贈された。同年国の重要文化財の指定を受け、昭和47年高蔵寺境内近くの現在の場所に移築された。



 住宅には自由に入ることができ、土間、囲炉裏、古い戸棚、農機具など、近い昔の生活の一端が感じられた。
 編集長の幼少の頃の岩手県の実家も茅葺のこんな家だった。昭和40年代の改築の前の記憶がある。邸内から縁側にでて佇み、しばらく庭を眺めていた編集長だった。







■今回の角田訪問の関連記事
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最終更新日  2022.05.05 22:04:26
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