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子育てハッピーアドバイス part 3





この記事は『子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~』の連作となっております。
出来れば、
子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ part 1
子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ part 2

と合わせてお読みください。





5.どうしてそんなに自己評価が低くなるのか
  ・虐待
  ・いじめ
  ・関わりが希薄(手のかからないいい子)




では、なぜそのように自己評価が低くなってしまうのか?

まずは「虐待」という問題があります。
虐待というのは、0歳から3歳の本来なら子どもが1番大事にされるべき時期に、大人のストレスのはけ口にされ、毎日のように殴ったり蹴ったりされる。

私が関わって来た子どもの中には、ほとんど親のサンドバッグ同然だと言われていた子もいました。

そんな扱いを受けて
「大切な存在なんだ」
「生まれて来てよかったんだ」
なんて思えるはずないですよね。

ですから、虐待を受けたは非常に自己評価が低いです。
そんな子は、大きくなってからも、いろんな生きづらさ、あるいは心身症に発展していくこともあります。

何としても虐待は防いでいかなければなりません。


虐待なんか受けずに、親の愛情に恵まれて育ったとしても、学校に入ると今度は「いじめ」という問題があります。

いじめも子どもたちの自己評価に大きく影響すると言われています。

いじめというのは、最初は「顔が変だ」とか「勉強が出来ない」という風な、容姿や能力に対する悪口から始まります。

それがだんだんエスカレートして来ると、
「あんたなんか、いらない」
「なんで来たの」
「早く死ねば」
または、自分が透明人間であるかのように、完璧に無視されたりして、存在そのものを否定されたりします。


そういう扱いを受けて、それでも
「自分は大切な人間なんだ」
「このクラスにいていいんだ」
そんな事、思えるはずないですよね。

だから、いじめを受けた子は自己評価が低くなり、それが将来にわたって「引きこもり」などの問題に発展したりします。

では、我々が大人として、子どもが「いじめらている」と相談して来た時に、どういう風に答えてやればいいのか?

子どもが「いじめられている」と相談して来た時に、親としてはショックを受けます。

それと同時に
「お前も言い返したらどうだ」
「もうちょっと強くなったらどうだ」
とか、ついつい言ってしまいがちです。

しかし、そういう風に出来るんだったら、子どもはそんなに悩んでないんです。

子どもが大人に相談して来るという事は、よっぽど耐えて耐えて、耐えかねて相談して来るのです。

言い返したり、強くなる事で対処出来るくらいだったら、子どもは相談して来ない訳です。

出来ないから、相談して来る。

ところが
相談しても、「お前が強くなれ」とか言われてしまうと

「結局、自分が言い返せないからいけないんだ」
「強くないからいけないんだ」
「だから、いじめられるんだ」
「いじめられて当然なんだ」
という風に子どもは思ってしまいます。

ひどい場合になると
「なんでお前ばかりいじめられるんだ」
「お前にも何か悪いところがあるんじゃないのか」
とか、言ってしまう。

そういう風に言われてしまうと、子どもは
「お前が悪いから、いじめられて当然なんだ」
と言われているのと同じように思い、もう2度と相談出来なくなってしまいます。

もちろん、「不器用な子」「空気が読めない子」など、いろいろなタイプの子がいます。

だからと言って、そういう子はいじめられて当然なのか?

そんな事は決してありません。

いじめられる理由っていうのは、いじめられる子の中にはちっともなくて、いじめる子が、人工的に作り出して、それを相手に洗脳していくというプロセスです。
「お前はこうだから、いじめられるんだ」
「お前が悪いんだ」
「何か文句あるのか」
という風に、思い込まされてゆく。

ですから、もしもいじめられる子どもが相談をして来たら
「お前はちっとも悪くないんだよ」
「いじめてる子が間違ってるんだし、おかしいんだよ」
と伝えてやらなければ、なりません。

これは当然の事のようですが、これが案外、子どもには伝わっていません。


また、最近、子どもの自己評価が低くなる背景として、時々あるなと思うのは
大人と子ども、親子の関わりが希薄だという事です。

昔の子育てと今の子育ては、そんなに大変わりしていないと思っていますが
ただ一点だけ、変わったところがあるとすると
親と子が一緒に過ごす時間が少なくなった。
これは事実だと思います。

これは別に、今の親が子どもをほったらかしてるという訳ではなく、社会構造の変化によるものです。
お父さんは、残業で帰りが遅く、平日はほとんど子どもに関わる時間が持てない。
お母さんも仕事を持つようになって、仕事に出て行く。
また、子どもは子どもで塾や習い事で、帰るのは8時9時。
という事で、親子が一緒に過ごす時間が少なくなってきました。

そうなりますと、どんな子どもでもさみしくなり、不安になります。

そうなった時に、子どもの出してくる行動に2通りあります。

その1つのタイプは、普段さみしい不安な分
親が帰って来たら、ギャーギャーと「こんな事があった、あんな事があった」としゃべりまくる。
「お母さん、ご飯の支度があるんだから、一人で遊んでて」と言っても、つきまとって離れない。
そういう子は、叱られたりもするけれど、自分でアピールしている。
だから、気付いてもらえる、かまってもらえるので、最終的には満足出来るのです。
だから、ギャーギャー言う子は、そんなに心配ありません。

ところが、もう1つのタイプは、普段さみしい不安な分
自分がいい子になって、親から褒められる事で、安心しようとする子がいます。
そういう子は、親が帰って来ても、ギャーギャー言わないし
逆に親に気を遣って、お手伝いをしたり、弟妹の面倒を見たりして、非常にいい子にします。

そういう風にすると、親は「なんちゅういい子や」と思うわけです。

だけど、子どもからすると、いい子と言うのは
大人からすると、「手のかからない子」なんです。

だから、「この子はもう自分で出来るから、大丈夫」と思ってしまいます。
そうすると、子どもは「もっとかまって欲しい」「もっと褒めて欲しい」と思って、いい子にしているのに
いい子になる事によって、「よけいにかまってもらえない」「よけいにほったらかしにされる」という事になります。

そうすると、もっとさみしくなる
もっと、いい子になる
もっと、ほっとかれる
という悪循環になってしまいます。

2.でお話した摂食障害の女の子は、まさにそういうタイプの子で
高校に入るまでずっと、「手のかからないいい子」で通して来ました。
その我慢、その背伸びが、高校に入ってから爆発して、こういう病気になってしまったのです。

子どもの自己評価は、もちろん褒めてもらったりする事で、育まれる部分もありますが
それだけではなくて、逆に
怒ったり、泣いたり、ダダこねたり、ギャーギャー言ったり
というマイナスの感情を親にぶつけて、それをそれなりに受け止めてもらう。
それで、叱られたりもするけれど
だからと言って、「明日からご飯一切なし」とか「家から追放」という事にはなりませんよね。
それによって、こんな自分でも「ご飯がもらえる」「家にいていいんだ」と確認出来るのです。

ところが「手のかからないいい子」は
自分がいい子でいる間は、存在を認めてもらえるけれど
もし自分が悪い子になって、文句を言ったり、ダダこねたり、ギャーギャー言ったりしたら
「その途端に見捨てられるんじゃないか」
「見放されるんじゃないか」
という不安が、非常に強いのです。

親からすると、「そんな事するはずないじゃないか」と思いますが
子どもからすると、そういう自分のマイナス部分を出して、それを受け止めてもらった経験が無いので、安心出来ないのです。
という事は、本当の自分に対する自信と言うのは、案外育っていないのです。

そういう訳で、「手のかからないいい子」は、例え成績が良くても、自己評価が低い人が多いのです。


(Part 4へ続く)






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