おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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道路を走っていて妙に気になる店というのがある。気にしているけれど、機会がなくて入らない。特別な理由があるわけではない。ただ何となく縁がない。

「食膳処　小うめ」もそんな店の一つだった。数年前に改装してオープンした小梅食堂。こぎれいで立派な外観が、少し入りにくい感じを与える。「何となく高そう…」と引いてしまう。

今回はそれを踏み越えてすらすらと入る。玄関口の戸を引き、中へ入る。
そこからすぐに席は見えない。アプローチ部分は割烹、旅館といってもいいような重厚な雰囲気だ。

店内はかなり余裕のあるレイアウトだった。大理石風のフロア。天井が高い。棚には売物の陶器がならべてある。ＢＧＭはストリングスとピアノの静かな洋物が流れている。

小上がりにあがる。メニューを見ると、寿司系、中華系がないだけで、あとは何でもありの品ぞろえだ。（参考までに昼の客単価は１０００～１５００円、夜は１５００～３０００円くらいと見た）

本日の昼の特別セットを頼む。焼魚、刺身、小鉢、味噌汁、香の物、デザート、飲物。これで１５７５円だ。（昼はご飯の大盛りがサービス）

これらが一そろいでやってきた。
焼魚は本かれいの塩焼き。刺身は７品（ひらめ、タコ、サーモン、鯖、帆立、鯛、生かき）。ネギのぬたとおでん風の煮物の小鉢２品。ゆかり入りのご飯、わかめと豆腐の味噌汁。

小うめ

実質的でいいチョイスのセットに思えた。特に「定番」の茶碗蒸しがメンバー入りしてないのがうれしい。（茶碗蒸しは大好きなのだが、セットの品数を増やすためだけの気の抜けたような茶碗蒸しは、いやなのだ）

かれいから手をつける。塩加減がちょうどよい。ご飯と交互にほいほい食べすすむ。放っておくと最後まで行きそうなくらい夢中にさせる。刺身は、活きのよさが表面のつややかさに出ている。女性の小さい口にあうような切り方だが、ぷりぷりして十分うまい。小鉢もそれぞれ、ちゃんと仕事がしてある。甘みあっさり。この定食に文句をつける人はだれもいないだろう。

デザートは、プリン・チーズケーキ・白玉だんご・杏仁豆腐からチョイスするのだが、私はチーズケーキにした。これにＨＯＴコーヒーを組み合わせる。

千差万別かず限りなく種類のあるこのケーキだが、この店のはベイクドタイプで、とてもチーズ指数の高い硬質なものだった。フォークで割ろうとすると、粘度少なく割れてしまう。もう少しねっちりして、サイズが大きければ満点なのだが。ちゃんとした自家製だという。いい感じである。

人と人との間隔が十分にとられたレイアウト。よくしつけられた接客の女性、趣味のいい器、おいしい料理。総じて品がよい。接待にもじゅうぶんに使える。このお店に、あと何が必要なのだろう。

フランス料理店がパスタを出したり、イタリア料理店がハンバーグを出したり、喫茶店がほとんど町の食堂のようになったり、牛丼屋が牛丼を出さなかったり。あとはこの店を使う人たちと世間の風向きが決めてくれるだろう。
できれば、今の方向でよりよい方へと願う。

「食膳処　小うめ」
住　　所：市原市白塚１５７－１
アクセス：旧道　白塚の交差点近く　Ｐ有
電　　話：０４３６－２１－０２８１
営業時間：１１：００－１４：３０
　　　　　　１７：００－２２：００（ＬＯ２１：３０）
定　　休：木/第３日
メニュー：（昼）ランチ（日替わり）１０５０/１２６０/１５７５/
　　　　　（昼夜共通）釜めしセット１５７５（刺身or天ぷら付）１５７５/
　　　　　　オムライス１０５０/ビーフシチュー８９３/
　　　　　　カニコロッケ６３０/生ハムとほうれん草のサラダ７１４/
　　　　　　ざるそば６３０/かつ重９４５/深川玉丼７８８/
　　　　　　エビフライ定食１４７０/
評　　価：☆☆☆☆

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