おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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室内は薄暗い。バーコーナーもありシックな雰囲気。ＭＵＴＥのコルネットのソロがかかっている。ジャージーだ。はっきり言って（夜は）恋人たちご用達専用でよさそうだ。

海老のとろとろ半熟オムライスとガーリックトーストを注文する。

半熟だから即納かと思ったが、意外なほど時間がかかった。待たされて待たされて、ようやくやってきたのは見るからにどろどろのいま活火山状態から取り出してきたばかりと言いたげなＨＯＴな一品だった。

それはもうオムライスでは無いのかも知れない。暗い店内で極薄目で見ると、製作途上のラザニアであり、リゾットであり、ビーフシチューであり、まかないのビーフストロガノフである。悪い言い方をすると、製作失敗と見えなくもない。２０年前、大衆食堂でこれをオムライスとして出したら、お客はどういう反応をしただろうか。

こんもりしたライス島の上から、半熟以前のレアレアな玉子が流れにまかせながら上からどっぷりかぶり、その上にドミグラス溶岩が容赦なく降り注がれている。小海老がそこらに転がっている。シンプルなどろどろ画だ。スタンダードオムライスをバロック画だとすると、これはピカソまでは行かないが、少なくともブラックあたりまでは行く。同じく普通のをモーツアルト・ベートーベンだとすると、これはドビュッシーくらいまでは行く。（端正なラベルでは失礼だ）そうだ。印象派といっていい。基本を熟知したあと、くずれるに任せればこの境地にまで達する。

濃厚な味わいだった。レベルが違う。これを毎日食べては健康に良くないと危険信号が来そうなくらい、やばいくらい凝縮され、圧縮された末の濃密なおいしさのプレゼンテーションだ。この先日本人の味覚はどうなってしまうの、と心配するくらい、柔らかさを良しとするトレンドが押し詰まった末にこの一品がある。そのどろどろさに、こちらも見事にはまって、身体はあり得ないくらい緩んで、すっかりとろけきっている。

あとから来たガーリックトーストは、単品で食べると普通だが、この濃厚なソースにつけると、すべて味がそちらに飲み込まれてしまう。

（女性のみ）サービスのアイスクリームがやって来た。これも主客に負けないくらい、濃厚だった。対抗するにはちょうど良いドルチェ加減である。すっかりほぐれた身体は、このあとまた家まで帰らなければならないのが面倒でたまらない。

おしゃれ派・都会派・まったり派には最高の居場所だろう。

「レストランバー　ＭＡＮＭＡ」
住　　所：千葉市緑区おゆみ野南２－６－１－１０４

電話番号：０４３－２９３－２２８８
営業時間：１１：３０－１５：００（ＬＯ１４：３０）
　　　　　　　１７：００－２３：００（ＬＯ２２：００）
定　　休：無休
メニュー：とろとろ半熟海老オムライス１２００
　　　　　　ガーリックトースト４８０/ホクホクポテト７００
　　　　　　チーズフォンデュ８３０/ＭＡＮＭＡ風サラダ８８０
　　　　　　サーモンとほうれん草クリームパスタ１３８０/
　　　　　　（昼）オムライスランチ１３８０/パスタランチ１３８０～
評　　価：☆☆☆☆☆

マンマ