おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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やはり基本のロースかヒレかつだろうと思うが。このところとんかつ頻度が絶好調に高い自分なので、そこは少し考えた。メニューの内容について訪ねると、すらすら答えてくれる。シーフードフライ中心の「冬の彩り」を頼む。汁物は豚汁かカニ汁を選べる。カニにした。

ドレッシングの瓶が３本供される。ストレート一直線ではなく、ボーリング風に３角形状に置かれた。かつ波奈特製で（和風ノンオイル）（ごま風味）（日向夏風味）というバリエーションである。そのあと、ごまの小鉢がやってくる。これをすってソースとミックスして食べる趣向だそうだ。

本体は、ワゴンで楚楚としてやってきた。セットごと置かれた。フライものは油切れをよくするためにフライ用の小網の上にのっている。海老、イカ、ホタテフライ。その上部にキャベツがごっそりと盛られている。後は、カニグラタン・茶碗蒸し・カニ汁・ご飯・新香・デザートという顔ぶれ。フライはどれも女性向けのサイズだが、ちょうど良い熱加減で揚がっていた。ミディアムレアのプリプリした歯ごたえがある。

ランチタイムは、ご飯、キャベツ、汁物がおかわり自由となっている。どれも２杯見当のつもりで、計算しながら並行に食べすすんだ。汁の追加だが、今度はとん汁に来てもらった。具の豚肉が軽くローストしてあり、噛むとホクホクきれいに割れる。やわらかくて香ばしくて豚肉という感じがしない。正直うまい。千切りキャベツはおもに日向夏ドレッシングでいただいた。さっぱりしたゆるい酸味で、いくら食べても食べあきない。おかわりは別皿で供される。

茶碗蒸しは（おまけ）の添え物ではなく、鶏やかまぼこ、ぎんなんなどが入った本格物だった。最高になめらか。シメの杏仁も茶碗蒸しに負けないくらいつるんとしていた。

黙っていても、お茶のおかわりがやってきた。

ほとんど満点に近い給仕オペレーションである。茂原のアスモの向い側に「かつまる本店」という店がある。そこはランチに限らず全時間帯、３つ（ご飯・味噌汁・キャベツ）のおかわり自由があり、揚物の金網のせがある。さらに、食後にもう一度おしぼりのサービスがあるという気配りがあった。

「かつまる」にも感心したが、この店のすごいところは、それがごく自然に空気のように軽やかに行われているということだ。客の側が変に意識したり、いやな気分になったりしない。洗練された配慮・ホスピタリティがあふれている。よほど上手に教育されているのだろう。

かつ波奈1

外観がファミりーレストランだし、あちこちに店があるので、単なるとんかつファミレスと思いがちだが、それはとんでもない偏見である。ここは本物のとんかつ屋である。スケールが大きくなっただけで、変てこな個人店よりよほど気がきいているのだ。一流旅館でさえ、古いだけが取柄の建造物では客足が遠のいてしまう。フロント対応、ドアロック、サッシ窓、完全空調の近代意匠の中に、昔ながらのきめの細かい接客をしてはじめてリピーターを獲得できる。この店も同じように、ファミレス的な清潔で余裕のある空間の中に、お客のコンフォタブルを追い求めた積極的な接客を実現している。今あればいいなというサービス、されたら嬉しいなと思うもてなしがここにはある。

とんかつ屋に限らない。個人経営の飲食店主は、一度こういう店に見学に来たほうがよい。自分たちのしていることが、いかに職人気質だけに依存した前近代的で一方的なサービス（営業）であるかを思い知るだろう。

「かつ波奈　市原店」

アクセス：稲荷台通り、君塚陸橋を越え旧道との交差点をすぎた左側　Ｐ有
電話番号：０４３６－２４－１０８７
営業時間：１１：００－２３：００（ＬＯ２２：３０）
定　　休：無休
メニュー：（昼）おすすめランチ９２０/まんぷくランチ１３４０/
　　　　　冬の彩り１０８０/レディスランチ９２０/かつ鍋ランチ９８０/
　　　　　（夜）ロースかつ定食(中)１３３０/ヒレかつ定食(中)１３３０/
　　　　　　和風おろしかつ定食１３３０/味噌ロースかつ定食１３３０/
　　　　　　ジャンボロース定食１６８０/大海老ヒレかつ定食１８７０/
　　　　　　ミックスフライ定食１４３０/自家製焼豚４５０/
　　　　　　さんが焼き５３０/マグロのカルパッチョ４９０/
　　　　　　とろとろ杏仁豆腐２９０/
評　　価：☆☆☆☆

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