おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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ドアをあけると、ファミリー居酒屋でよくある下足札の下駄箱がおいてある。廊下を真ん中にして、左にテーブル席、右に座敷という配置。きょうは座敷のほうにすわった。夜はコースメインなので敷居が高いが、昼ならこうやって気軽に食べることができる。メニューを開く。大海老天丼が誘惑してきたが、今回はあっさりした舟盛刺身膳のほうにする。

静かだ。ＢＧＭは一切ない。奥の厨房のほうからの音ばかりである。

膳ごと、一気に運ばれてくる。真ん中に小さな舟盛が鎮座している。サーモン、まぐろ、ぶり、それぞれ４切れくらいずつ。どれもプリプリして新鮮そのものだ。つまがてんこ盛りにつく。これにすまし汁、油揚げをちょこっといじった小鉢、自家製ドレッシングがかかったサラダ、ご飯、新香、茶碗蒸しが付く。どれも手を抜いてない。きちっとした味つけがなされている。

隠れ家的な店はこのへんでは珍しい。知っていて損はない店だと思う。

市原というのは何にしても中途半端な土地なのか。ＴＶ東京に「出没アド街ック天国」という番組があるが。あれがこの先何年続こうと「市原」をフューチャーすることはないだろう。市原を歌った演歌のご当地ソングも生まれないだろう。（作ることはできるが、全国的ヒットはしないだろう）それがどうしてか、地元民にもよく分からない。千葉と木更津にはさまれ存在感が希薄なのか、イメージを喚起させるものがないのか、語感が悪いのか、街に魅力がないのか、絵にならないのか。

だがもし万一「アド街」に出たとしたら、この店などは紹介されてしかるべきだろう。選んで欲しい。

ＴＶもマスコミも気まぐれだ。でなければマーケティングの法則にあまりに従順すぎる。「本当に魅力的ですてきな女性というのは、有名人の中ではなく、一般の市井の人の中にいる」この言葉を、私は強力に信じている。（これは「すてきな女性」だけではなく、すべてのカテゴリーにあてはまる）有名なのはたまたま時の風に持ちあげられただけ。真実輝いている人は、そこに関係なく、日々いつも一所懸命に自分のなすべきことを黙々と淡々とこなしている普通の人々の中にこそいるのだ。

残念ながら、この店が「アド街」や夕方のニュース内のグルメ情報で紹介されることはないだろう。しかし、そこで紹介された店となんら変わりない輝きを放っていることを私はちゃんと知っている。

「日本料理　きよみづ」【閉店】
住　　所：市原市八幡北町３－９－１
アクセス：白金通　セブン村田川店の信号を真っ直ぐ、高畠の先右折左側　Ｐ有　
電話番号：０４３６－４３－５７９９
営業時間：１１：３０－１４：００/
　　　　　１７：００/２２：００（ＬＯ２１：３０）
定　　休：火曜日
メニュー：（昼）海鮮丼８４０/天ぷら膳１０５０/天丼８４０/
　　　　　　舟盛刺身膳１０５０/鍋御膳１０５０/幕の内弁当１５７５/
　　　　　　大海老天丼１５７５/釜飯膳２１００/
　　　　　（おかず、汁物、新香、小鉢、サラダ、茶碗蒸付）
　　　　　（夜）コース８品３１５０/１０品４２００/１２品５２５０/
　　　　　　天ぷら１３６５/刺身盛１５７５/
評　　価：☆☆☆☆

きよみづ