おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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小さな黒板にランチ４種が記してあった。今ひとつピンと来ないので、メニューのほうをひろげてみる。ラーメンが４５０円、五目炒飯が６００円と、この種の店にしては安いほうだろう。しかし単品のほうは、海老チリが１６５０円、酢豚が１４００円と一転してなかなか景気の良い値段がついている。アンバランスなプライスの店だと思った。

しばらく眺めていると、お婆さんが（お気に入りのものは見つからないかぇ）ときいてきた。ここの店の人だったのである。（好きなもんで定食もつくれるからよぉ）と、一度壁貼りのメニューのほうに視線をやって、こちらを促した。

店の人も人間なのだから、くつろぐときもあるだろうが、それを客の前で堂々と披露しているような所は、正直あまり好きではない。その気合の抜け方は、顧客側にすぐ伝播してしまう。（おいしければよい）という理屈もあるが、不思議にこの種の店で美味の当たりがでた前例を知らない。

結局、五目そばと半炒飯というランチのＡセットを注文した。春巻を追加する。

先にそばのほうがやってきた。醤油ベースのうま煮野菜そばで、変に甘ったるい。五目そばというと、私の中ではタンメンの豪華版という感覚なのだが、最近は違っているのか。とにかく自分好みの味ではない。

炒飯と春巻がやってきた。こちらのほうは、ごくごく無難な出来だった。ほんの少し軟質な感はあるが、チャーハンは軽くパラパラに仕上げられていた。春巻に食らいつくと、口元でパリッと音がして、皮の数片がホロリと落ちた。中のあんがおいしい。値段を考えれば、充分にリーズナブルだろう。

壁には、何年前か分からないようなすすけたサイン色紙が数葉かざってあった。客に出すだろうウーロン茶のペットボトルが、台の上に無造作にのっていた。ここの様子を小ぎれいなアニメで描くと、きっとなかなかの味わいが表現できるだろう。しかし現実のＬＩＶＥの場面で、これを自分が体感するとなると、かなりきつい感じがしてしまう。

「トトロ」の世界は、現実で味わわないほうが利口である。あれはあの中だけで屹立し、完結している。あの中だけで楽しむべき小世界だろう。

正午をすぎて、作業服を着たグループが入ってきた。もう一つの小上がり席を占領する。お婆さんは重そうに腰をあげると、何もふりかえらずに厨房のほうに消えていった。グループのほうは、水もこないうちに全員、私とおなじＡセットを注文していた。

華茶風　五目

「中華飯店　華茶風」（けちゃっぷ）
住　　所：市原市八幡５３４
アクセス：平成通り　バウミュウ動物病院ならび（Ｐ２台）　　　　　
電話番号：０４３６－４１－７４８６
営業時間：１１：３０－１５：００/１７：００－２１：００
定　　休：木曜日/第３水曜日/
客　　席：テーブル２卓/小上がり３卓/
利用種別：個人向き/少人数向き/ファミリー向き/グループ向き/
メニュー：ラーメン４８０/タンメン６４０/チャーシュー麺６００/五目そば６００/
　　　　　肉そば６４０/えび入りそば６８０/五目焼そば６００/肉焼そば６４０/
　　　　　五目揚げそば６００/肉揚げそば６４０/煮込みそば７００/冷し中華７００/
　　　　　五目炒飯６００/海老炒飯６３０/中華丼６５０/肉かけご飯６５０/
　　　　　春巻（１本）１７０/餃子４００/揚げ餃子４００/焼売（５個）４６０/
　　　　　玉子スープ４００/（小）２００/五目スープ５５０/（小）３５０/
　　　　　麻婆豆腐８００/八宝菜１０００/かに玉１２００/野菜炒め１１００/
　　　　　海老チリ１６５０/回鍋肉１３００/酢豚１４００/中華サラダ８００/
　　　　　蒸し鶏１１００/又焼１１００/きくらげと卵炒め１４００/ご飯２００/
　　　　【昼食】ランチセット７５０～８５０/
　　　　【飲物】ジュース２００/コーラ２００/日本酒４００/麦酒６００/老酒１８００/
評　　価：☆☆☆
　　　　（味３．５/量３．５/サービス３/雰囲気３/ＣＰ３．５/駐車場３）

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