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ラーメン　仁家　～スタンダードなる一献・超自己発現の時代に～

テーマ： ★ラーメン(14922)

カテゴリ：東部・九十九里地域

入口左の券売機の前に立つ。基本のラーメンをプッシュした。それを渡してから、カウンターについた。スープの濃さ、麺の具合、油の量とかを好みに調節してくれるが、すべてノーマルにしておく。

なるほどとすぐに得心するようなビジュアルで、その一杯はやってきた。大判の海苔が２枚、お約束のほうれん草が盛られる。それにチャーシュー。醤油で茶濁したスープの表面に玉の大きい脂が堂々と浮いている。想像していたのより、ややあっさり目かとも思う。

さっそく一口。中太麺で、中濃のスープとのからみつきも良い。シコシコを残した茹で具合もベストな塩梅。焼豚は、やわめに噛めばすぐにほどけるくらいの軟質。とんこつ醤油といっても、それらしいクセは全くといっていいほど感じない。そこからイメージするなら、油脂の量も少なすぎるかも知れない。脳内にラーメン系の旨味センサーがあるとすると、食べたとたんに（ＧＪ）とランプが灯りそうな、ちゃんと素直に訴えかけてくる美味しさを実現している。

極めて洗練された横浜家系といえるのではないか。この地域ではあまり見ないスタイルなので、今後も期待できるだろう。

カトラリーの中には豆板醤・にんにく・胡麻などが揃っている。ラーメンはすでに成熟期をすぎ、爛熟の季節に突入している。各人の好みはそれぞれ先鋭化し、とても店側がプレゼンするノーマル品だけでは、対応できなくなっている。

ひと昔の床屋の話だが。客を見ただけでその人の今のベストな髪型をイメージでき、その通りにカットすると、客のほとんどが満足したという。過去のカット歴、その日の顔色、その日の機嫌などを勘案しながら調髪し、最後には最適なふうに仕上げてしまう。

それと似たような（無言のうちのツーカー的な）やり方は、ことラーメンに関する限りは無理なのか。来店のたびに、主要項目は口頭で伝え、それ以外の微調整はテーブル上でやる。あるいは、仕切壁タイプの個別カウンター上で、アンケート用紙にその日の自分の趣向を書きこむしかないのか。

ＩＣカードに指紋認証までいっている社会なのだから。そのうち、自分の好みのスタンダードをＩＣカードで作っておき、指先の汗の具合で、その日の微調整を行うようなラーメン屋が出現するかも知れない。

（たかだかラーメン…されどもラーメン…）そんなフレーズを思い浮かべながら、私は店をあとにした。

「横浜らーめん　仁家」（じんや）
住　　所：山武郡大網白里町大網４３８－６
アクセス：国道１２８号沿　経田交差点から北上　６００m先右側　Ｐ（３台）　　　　　
電話番号：０４７５－７２－８６０７
営業時間：１１：００－２２：００/
定　　休：金曜日/
客　　席：カウンター９席/小上がり２卓/（約１８人対応）
利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/
メニュー：ラーメン６００/チャーシューメン８００/ラーメン味付玉子７００/
　　　　　ラーメンのり多め７００/ラーメン白ねぎ８００/つけ麺８００(限定)/
　　　　　お子様ラーメン５００/お子様チャーシューメン７００/
　　　　　大盛１００/特盛２００/
　　　　（トッピング）
　　　　　味付玉子１００/海苔１００/ほうれん草１００/もやし１００/玉葱５０/
　　　　　白ねぎ２００/青ねぎ１５０/青にら１００/コーン１００/きくらげ５０/
　　　　（その他）
　　　　　餃子４００/キャベチャー１００/もやチャー１００/ライス１００/
　　　　　本日のライス２００/生ビール５００/ラムネ２００/コーラ２００/
　　　　　オレンジ２００/生ビール（小）３００/
評　　価：☆☆☆☆
　　　　（味４/量３．５/サービス４/雰囲気４/ＣＰ３．５/駐車場３）

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