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カテゴリ: カテゴリ未分類
母と娘は、古家に引越しをした。


そう、そこは【奇術師の家】。


心臓病でいつ発作をおこすかわからない母と、もうすぐ30歳になる娘・鮎子。
義姉の勧めもあり、母の残された短い人生を思い引越しをした。
現在のこの家の持ち主は、大事な人からの預かりものだという。
が、母のことを聞くと快く貸してくれた。
母は、この家のものは全て奇術師・鬼頭のものだ、と。

まるで自分のものであるかのように、残っている先住者の荷物を整理する母。


カード会社で働く鮎子は、ある日15年前に発行された鬼頭のデータをみてしまう。
家族蘭には、母と同い年の妻と、兄と同い年の長男の存在が記されていた。

外国から兄が一時的に帰国した時、母の希望で、この家の庭でパーティーが開かれた。

母は上手に消えた・・・


とても静かな澄んだ空気を感じる。
かといって、穏やかと言い切れるものでもない。
三十年前の家にいるかのような母。三十年間の想い。そして今を生きる人々。

本物の水芸が出来たという最後の奇術師に、
ささやかに(けれども鮮やかに)見せつけられた、そんな感じです。

他に『静かな家』『遠い庭』『秋の棺』の3作品収録です。
連作ではありませんが、やはり【家】の比重が大きい。(特に『静かな家』)

『秋の棺』の「月子と名乗る謎の女」
ともに雰囲気は悪くないですが、やはり表題作『奇術師の家』が一番好きです。

あとがきより
 「家と言えば家族、いう図式が最初から欠落しているところに、
 物語の始まりがあったのかもしれない」


家にこだわる人々。決して温かいだけの存在ではない家。
けれども、やはり【拠り所】としての機能を持つのだな、と感じました。

なお、『奇術師の家』は第1回朝日新人文学賞を受賞しています。
ちなみに第6回が、中山可穂『天使の骨』。
他の受賞者は私の知らない人ばかり。
というか魚住さんも本書を手にとって初めてしったのだけれど(笑)





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最終更新日  2003年06月22日 22時12分43秒
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