福内鬼外(月日が往く)

福内鬼外(月日が往く)

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

http://buycialisky.com/@ Re:コメント読めんと(07/07) which works best viagra cialis or levit…
http://cialisvu.com/@ Re:コメント読めんと(07/07) alternare cialis e viagracialis clonete…

バックナンバー

2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月
2025年07月
2025年06月
2025年05月
2025年04月
2025年03月
2025年02月
2003年08月20日
XML
カテゴリ: → 読んだんよ ←
神田鍋町の御用聞、出尻(でっちり)伝兵衛が向かう先には、いつも決まった人がいる。

小太りで怒り肩、総髪の先を切った妙な茶筅髪。
今日は、五重塔の天辺に陣取り、大きな筒眼鏡であたりを眺めている。
伝兵衛は、連続で起きた不思議な人殺しについて源内の耳にいれる・・・・ 
『萩寺の女』ほか7編収録の短編集。

平賀源内。とくれば手を伸ばさない訳にはいきません(笑)
というのは、当HP 《福内鬼外》の由来 にも関係してくることでして。



作者の久生十蘭(ひさお・じゅうらん)は、もう50年近く前に亡くなっています。『鈴木主水』で第26回直木賞を受賞。元は記者で、演劇活動もされていたようです。この本に掲載されている作品は、谷川早名義で昭和15年に連載されたもの(解説より)。ですが、時代が江戸なだけに、さほど古さを感じることもなく読むことが出来ました。会話にもなかなか勢いがあって良いです。

さて、主役の平賀源内。
これがどうにもよくわからない(笑)もともと怪しげな人物ではありますが。
私の印象としては、江戸文学者の田中優子さんが解説でいうように、
“なんでも失敗するおとこ”
この話の設定ではオランダ語が堪能とのことだが、 吉村昭『冬の鷹』 (紹介1冊目!)を読んだ身としては「いやいや、ちょっと待ってくれ」と言いたくなる(良沢、玄白が出てくるのは何となくうれしい)。また、冒頭でも書いたが“小太り”という風貌もイメージにあわない。だが、もちろんこれはこれで面白くもある。(やはり解説によると、やせ細った源内の肖像は随分後から描いたものだとか)

それに、この源内。一見、スーパーマンなのだが、実はそれほど活躍していない(笑)
伝兵衛や、その娘・お才のほうがよっぽど活躍しているのである。
源内がほとんど出てこない話もある。『三人姉妹』、『預り姫』なんて完全に探偵役はお才だし、またこちらのほうが面白かったりする。もっとも源内が活躍する(?)『稲妻草紙』、『萩寺の女』、『長崎物語』などもアクロバティックなところがあって、なかなか良いが。

この辺りの中途半端さが不思議でもある。(だって『平賀源内捕物帳』なのに。)

それとも、この題名は後から(単行本にする時に)付けたものなのか?

ともかく、源内はいろいろなことをやった人で、当時では間違いなく変人(?)の部類だろうから、小説の主人公にはなりやすいと思う。今後も彼が出てくる話を探してみたい。

『平賀源内捕物帳』 久生十蘭 朝日文芸文庫(1996年2月第1刷発行)
・・・・・・・・・・・・・・・

最終更新日 2003年09月11日 09時18分08秒



その後、諸田玲子『源内狂恋』は入手。積読中。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年04月16日 00時58分53秒
コメント(2) | コメントを書く
[→ 読んだんよ ←] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: