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おるはの缶詰工場
願い事 H22正月
「今年は寝正月だよ」という祐輔の意向で、正月の間はどこにも出かけずに過ごした。
いい加減放して欲しい、と懇願し受け入れられたのは、今日祐輔にも友人と新年会という予定が入っていたからだろう。これ幸いと、祐輔を早々に追い出し、椎名は久しぶりに一人の時間を満喫していた。
「奏くん、彩くん。あけましておめでとう」
自称「祐輔の弟子」という二人は、悪戯好きで早熟で、たまに困るときもあるが、可愛がっている弟のような存在だった。
嬉しい訪問に椎名はいそいそとお茶の準備をする。
「ちょうど出来たてのアップルパイがあるんだ。アイスクリームつける?」
「「つけるー!」」
3人分のアップルパイを用意して、のんびりお茶をする。
正月に友達と遊んだこと、恋人と初詣に行ったこと、楽しそうに話す二人を椎名は微笑ましく見ていた。
「そういえば、圭と静姫は今日初詣デートだって」
「彩のところにもメールきた?」
「うん、でも僕もまだだからアドバイスしてあげれなかったんだ」
「えー、奏もまだなの?」
『まだ』って一体、何がまだなのだろう?
「僕はちゃんと2日にしたよ」
自慢げに言う彩と羨ましそうな奏。
好奇心を刺激された椎名は、ついそれが何なのか聞いてしまった。
「なにがまだ?」
「なにがって……」
顔を見合わせた二人が、何かを思いついたように顔を輝かせた。こういうとき、あまりいい状況じゃないと椎名は気がついたが、すでに遅い。
「椎名さんならもう済んでるだろうし、それに奏と静姫と同じ立場だよね!」
「そうだね!」
やっぱりいいです、と言い出せるような雰囲気ではない。
顔をひきつらせながら、彩の言葉を待っていると…。
「姫初めってどう誘った?」
椎名はひきつった顔のまま固まった。相変わらず彩の口から出る言葉は威力が大きい。
普通に生活していて『姫初め』なんて言葉は覚えないだろう。いや、今の世の中は違うのか? 中学生で『姫初め』という言葉を知っていて、さらに実践したという……それが当り前なんだろうか。
時代は変わったんだな、と現実逃避に意識を飛ばしていた椎名を、奏が心配そうにのぞきこむ。
「椎名さん、大丈夫? もうっ、彩ってばストレート過ぎるよ。椎名さんは純真なんだから」
一回り以上も年下の奏にかばわれて、恥ずかしさに頬が染まる。
『純真』だから固まったのではなく、その逆で……。
「何言ってんの。相手は祐輔さんなんだよ。動揺したのは、姫初めにものすごっっっいことされたからに決まってるだろ」
「されてないっ」
即座に否定した。
えー? という不満そうな二人に、念押しするように「してません」ときっぱり言い切っておく。
「でも、したんでしょ? どうやって誘ったの?」
「なっ、なんでそんなこと…」
「昨日静姫に聞かれたから『どうやったらしてもらえるの?』って」
僕も教えて欲しいー、と奏が手を上げて主張する。
静姫も奏も、される側だから、彩も的確なアドバイスができなかったらしい。かと言って、椎名の場合は―――。
「二人の恋人は常識人だから、俺のは参考にならないよ」
相手はあの祐輔。
誘わなくても、襲われる。
拒否しても、襲われる。
「そうかも…」
妙に納得した様子でそう言われると、祐輔の恋人としては複雑だったが、そこはもう諦めの境地にまできていた。
「僕が透耶さんにどう誘ってほしいか、ならアドバイスできるんだけど、静姫が実践したら圭が怒りそうだしなぁ」
「そうだよねー、正座で説教2時間とかになりそうだね」
子供には不似合いな話題だが、あまりに真剣な表情で相談する2人の姿を見て、思わず笑ってしまった。必死で可愛いな、と思っただけなのだが、2人の目には不真面目と映ったようだ。
「椎名さんも真剣に考えてよー」
「静姫の一大事なんだよ!」
「そうだなー…」
相手にリードしてもらえばいいんじゃないかと思うが、男としての性なのか相手にまかせっきりというのも嫌なのかもしれない。それならいっそ―――。
「逆に押し倒してみたら?」
なーんてね、と続けようと思った言葉は2人の歓声にかき消された。
「それいいね!」
「僕と違って同じ年なんだし。やってやれないことないよね!」
確かに、不意を突けばやってやれないことはない、…かもしれない。
自分の冗談が洒落にならないことに気付いた椎名は、冷や汗をかきながら2人を止めようとした。
「え、ちょ…ちょっと待って」
しかし、走り出した2人を止めるのは無理だった。
奏がメールをし始めたのを見ながら、ごめん、説教2時間受けるから。と被害にあう圭に、胸の中で謝るしかなかった。
しかし、圭に同情している場合ではなかった。
静姫の問題が片付いた彩が、話題を戻して確認してくる。
「でも、おかしいなー。祐輔さんなら、『姫初め』なんてイベントを見逃すはずないのに。ホントにすごいことしないの?」
「しないよ」
「お神酒を下の口から―――」
「食べ物で遊ばないようにっ」
ピシャリと叱ると、バツの悪そうな顔をして口を閉じた。
言い出すことは祐輔とまったく一緒だが、叱られたときの反応はさすがに違った。祐輔は、『体内に摂取するんだから、無駄にはしないよ』と飄々と言い切った。酒瓶を片手に迫る祐輔に、「姫初めくらい普通にして」とお願いする羽目になるのだが…。
その普通が、まさか何日も続くことになろうとは、椎名も予想していなかった。
「せっかくのお正月の儀式なんだから、なんか変わったことしたいって思うでしょ?」
椎名さんの話を聞いて、来年の参考にするつもりだった、という彩に、椎名は疲れた顔で「やめなさい」と言うことしかできない。
「正月らしいことがしたいなら、書き初めでもしたら?」
宿題で出ているだろう、と思って言ったのだが、彩がはっとしたような顔をした。
「書き初め、書き初めか…」
そのまま妙に難しい顔をして黙り込んでしまう。
何か、まずいことを言ったんだろうか。
不安に駆られ始めた椎名が彩に聞こうとしたとき、メールを終えた奏が「静姫、やってみるって」と報告をしてくれる。
「休み明けが楽しみだね」
「そうだね、ちゃんと結果を聞かないとね」
完全に楽しんでいる2人を見て、椎名は将来祐輔のようになりませんように、と祈ることしかできない。
そしてそれは、2人の恋人も心に抱いている願いでもあった。
その後、発案:彩 監修:祐輔の『正月用・書き初め筆』が大人のおもちゃとして発売される。
内蔵された食べれる墨で、パートナーの身体に文字や絵を描くことができるそれは、一部で密かなブームになった。
2011年の正月、椎名は身をもってその存在を知るはめになる。
2010/1/22
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