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おるはの缶詰工場
ガラスの靴6
あれからすぐに手をベッドヘッドに繋がれてしまい、身を捩ることでしか身体を隠すことができない。
しかも、隠そうとするたび元に戻され、自分は一枚も脱いでないのに、俺には全てをさらすことを求められた。
大きく開かれた足の間にいるサトルが、真上から見下ろしてくる。
「後ろからのが好きなのか? こっちはあまり痕が残ってない」
つーっと首から下肢までをゆっくりとサトルの指が降りていく。
荒れた手の感触は、少しチクチクして、時折掠める胸の突起や敏感なヘソの辺りでは、身体が跳ね上るほど感じてしまった。
「やめ・・・あっ」
火照った身体を熱い手や舌でさぐられ、頭が沸騰しそうになるほど熱かった。その熱の先にあるものが怖くてたまらなくて、身を捩ってそれから逃げ出したかった。
身体を動かすたびに、縛られた手首がこすられて、そこに意識が集中した。
微かな抵抗をしていた俺だが、乳首や太腿がサトルの唾液でぬらぬらと光るようになる頃には、声を我慢することにも抵抗することにも疲れてしまい、ぐったりとしていた。
ふっと笑ったような気がした。
涙で潤んだ瞳じゃサトルの些細な変化を見ることができなかったが、その頭が不穏な動きをしたのには気がついた。
伏せられた場所に熱い息が当たる。
「いやだっ、そこは―――」
腰を引いてサトルを避けた俺に、不満そうな声が上がる。
「そんなにいや?」
「―――怖い、よ。こんなこと、されたことない」
見栄もなにもない。
敏感な部分に吹き付けられた熱い息だけで、もう性器は限界まで張り詰めてしまった。それなのに、直接そこを舐められでもしたら・・・。
つきあっていた彼氏にだって、これほど丁寧に抱かれたことない。
だから、こんなに乱れた姿だって見せたことないのに。
「物欲しげにヒクついてるのに、やめて欲しいのか?」
嘲笑まじりの声にも、縋るようにこくこくと頭を縦に振った。
素直に返事をしたのに、サトルは「ヤダ」と素気無く返された。
目を見開く俺に満足したのか、くしゃくしゃになっていたブランケットをまとめて背中の下に押し込んだ。そして、下肢を抱え上げて舐めやすくすると、そこへ顔を伏せた。
生温かく独特な弾力をもったそれが、後ろの蕾に侵入してくる。
ギュッとそこが窄まると同時に、ビクッと足が空を蹴った。目の前に晒された性器から、ぽたぽたと白濁の液が腹部へ滴り落ちていく。
淫らな光景に、視覚からも犯されて、ますます高みに上り詰めていく。
後ろで感じたことはない、はずなのに。
「今日二度目ともなるとやっぱり柔らかいね」
皮肉なサトルの言葉にも反論できず、俺はギュッと唇を噛み締め目を閉じて、ひたすら終わるのを待った。
「目を開けろっ」
穏やかだった言葉が唐突に荒くなった。
グイっと舌ではないはっきりとしたものが、後ろに捻じ込まれて衝撃に目と口が開いた。
「んぅ、あぁぁぁっ」
唾液とは違う、ぬるぬるとした液体を纏わせた指が、遠慮なく身体の中を探っていく。
痛い、のにそこは衝撃が過ぎると、柔らかく綻んでいく。
それはまるで別の誰かに操作されているように、自分の意識とはかけ離れていた。
「さ、サトル」
震える声で名前を呼ぶと、中を抉っていた指がわずかなりとも優しくなったような気がした。
「ん? どうかした?」
「なん・・・か、もうっ」
後ろからくる震えに、俺はじっとしていられないような気分になった。暴れたいような叫びだしたいような・・・。まるでおもらしをしてしまいそうな子供のようだ。
切羽詰った声で、サトルにそれを知らせる。
「もう? 一回やってるのはずなのに、随分早いんだな。ほら、一度イっとけよ」
楽しそうな声と共に、クイッと中の指が方向を変えた。
スイッチを押されたかのように、覚えのない快感が吹き上がってくる。
「あぅ、や・・・こわ・・・。サ・・・トルゥ!!」
甘い悲鳴を上げると同時に、ギュッと下肢に力が入った。白濁の液が胸元に撒き散らされた。
「後ろでイった感想は?」
「―――し、・・・ぬか、と・・・おもっ」
「可愛いな、やっぱ」
満足顔で近づいてきたサトルが、ペロリと胸元を舐める。
何をされているかわからず、ボーっとしていた俺は、そのままキスをされたときに感じた苦味で、サトルが何を舐めたのかわかった。
「ぅんっ」
知りたくもなかった自分の味を教えられて赤くなっていると、蕩けきった後ろに熱を感じた。
ぐっとそれが一気に押し入ってくる。
「んんっ、や・・・いっ、んぅ」
苦しくてキスを解こうとしたが、追ってきたサトルにまた塞がれてしまう。
痛いのに、やっぱりそれだけじゃなくて。熱がぐるぐると身体中に充満する。
大きくて熱い他人のものが、身体の中にあるかと思うと、何故か涙があふれてきた。
こんな風に抱きしめられて、入れられるのは初めてで、慣れないせいなのかもしれない。
後ろからされるより、前からされるほうが体勢的に苦しいのだと実感もした。
「―――好きだよ」
甘い言葉とともにグッと奥まで突きたてられた。
サービス過剰だと思いながら、俺はふっと意識を飛ばした。口元に笑みを浮かべたまま・・・。
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