お空のあいちゃん

お空のあいちゃん

あいちゃんの病気



超音波の機械が運び込まれて超音波の検査がはじまりました。若いきれいな先生でした。先生はだまってモニターをみながらお腹のうえで機械を動かしていました。しばらくすると、先生は”ちょっとまっていてくださいね”といって部屋を出ていってしまいました。

しばらくして、若いきれいな先生は3人ほど他の先生をつれて戻ってきました。そしてまた、こんどは大勢でモニターを見始めました。それから、また1人、また1人と先生はふえて、10人ほどの先生が私の周りにあつまりました。”さすが大学病院だなあ。みんなで検査するんだなあ”と私はこの時思っていました。

先生たちはごちゃごちゃ話をしながらしばらくモニターをみていました。”うん、そうだな、そう思うよ。””そうですよね。こことここと””ですね。そういうことでしょう”そんな会話(?)が飛び交っていました。そして、先生達は1人1人と部屋をでていって、さいごに超音波の先生と、さっき2回目に子宮口をチェックした先生だけになりました。

先生は重々しくきりだしました。”超音波の検査をしたところ、どうやら赤ちゃんの臓器は右と左、反対にあるようなんです。つまり左がわにあるはずの心臓が右に、右側にあるはずの盲腸が左にあるんです。でもこれは、命にかかわることではありませんので。”命にかかわらないと聞いて私はホットした。でも、そこで話が終わったわけではありませんでした。

”しかしですね、”先生は難しい顔をして続けました。”もっとよく調べてみないとわからないのですが、どうやら4つに別れているはずの心臓が3つにしかわかれていないようなのです。”

”奈落の底に突き落とされた”とは、こういうことを言うんだろうなと思いました。


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