お空のあいちゃん

お空のあいちゃん

検査、検査、検査



検査が始まった。まずは超音波の検査だった。心臓のスペシャリストといわれる先生が検査をしてくれました。”この先生はカリフォルニアでも5本の指にはいるのよ”と検査室まで付き添ってくれた看護師さんが教えてくれました。この日の超音波検査は、いつもの倍以上時間がかかりました。おなかが押されるのがつらくなってきたころ、検査は終わりました。”説明させていただきますが、よろしいでしょうか?”と先生がきくと主人は私を部屋からだすようにと、先生に頼みました。これ以上、私に精神的な負担をかけまいと思ったんでしょう。でも私は”ここにいます”と主人の心使いを断りました。<わたしはあいちゃんの母親なんだから、しっかりしなくちゃ”と思っていました。

検査の結果はきのう言われたこととたいしてかわりありませんでした。”はじめてのお子さんでとてもショックだと思います。産まれてみなければ、実際どのくらい悪いのかもわかりません。手術しても直るみこみがない場合は、心臓移植ということになるかもしれません。とにかく今産まれてしまうと手術するには小さすぎるので、あと2ヵ月、がんばってください。”

病室にもどると、こんどはステロイドの注射がまっていた。あいちゃんの肺の成長が少し遅れているから、ということだった。おしりに注射をするのははじめてでした。

主人にシーツをかえてもらって一段落すると、こんどは小さな女の先生と男の先生が超音波の機械をもってはいってきました。羊水の検査をするためでした。羊水をとるための太くて長い注射のはりが何回も何回も私のお腹に刺さりました。でも針をさすとお腹がすぐに張ってしまい、羊水をとるまえに針を抜かなくてはいけませんでした。何度やってもだめでした。それでも先生達は何度も何度も挑戦していました。私はあいちゃんが”もうやめて”と言っているように思えました。そう思ったら涙がどっとでてきました。私は叫ぶようにいいました。”もう、やめて!お願いだから。”そして”こわいよお、こわいよお”と子供のように声をあげて泣きました。主人はぎゅっと私の手をにぎっていいました。”妻はつかれています。今日はもう終わりにしてください。”

先生はあきれていたかもしれません。私のことを”なんて弱虫なんだ”とおもったかもしれません。しばらくして先生はもどってくると”明日もう1度やりましょう。明日やるときは、軽い麻酔もつかいましょう。”と言ってまた部屋をでていきました。

この日は、とてもつかれていました。大好きなショーがTVでやってました。でも、目を開けていることはできませんでした。主人はシャワーをあびるために家に帰っていました。かわりにルームメートがつきそっていてくれました。

主人が帰ってくるとルームメートは帰っていきました。いれかわりにほかの友達がお見舞いに来てくれました。主人と友達はハンバーガーを食べていました。主人は私の大好きなポテトと食べさせてくれました。食べさせてもらいながわ、私はいつのまにか眠ってしまいました。


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