お空のあいちゃん

お空のあいちゃん

決心



主人は驚きました。私はサンディエゴが大好きでした。でも主人は一人っ子。同居することはないとは思っても、私の両親からも、主人の両親からも、離れてくらることはないと思った私は、いずれサンフランシスコに引っ越すことになるのなら、はやい方がいいだろうと思ったのです。

主人は驚いたあと、とても喜びました。彼はサンディエゴよりサンフランシスコのほうが好きだとずっと私に話していました。サンディエゴは嫌いだと、いつも言っていた主人。それを聞くのがいやだった私。それなら、私がサンフランシスコに引っ越す決心をすればいい。きっといいチャンスなんだ。2人の新しい出発なんだ。そう私は思ったのでした。

そう決まってから、主人はサンフランシスコの両親と友達にすぐに連絡をとり、アパートを探してくれるように手配しました。よっぽど嬉しかったのか、いつものんびり屋の主人が、その日の内にみんなに連絡。私はとても驚き、そして喜び、でも私にはたくさんの友達とのお別れがまっているのだと思うと、辛く、さみしくもありました。

引越しまでは1ヵ月もなくって、私は友達に手伝ってもらいながら、大きなものはなるべく売って、小さなものは箱につめて。私にとって本格的な引越しは、これがはじめてでした。

でもこの引越しが、私を精神的においつめてしまうなんて、このときは少しも想像することができませんでした。


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