☆f4♪LOVE アンクミの徒然日記

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決心




外はすっかり暗くなっていた
明かりの無い部屋に 一人

ドアの向こうには あいつが 
あんな風に あいつを 道明寺を 悲しませたくなかった

あいつの靴音が遠ざかってゆく

ドアに触れると あいつの温もりさえ感じられるような気がした

だけど 

私は どうしたらいいのだろう
あいつの側に居たら きっとまた あいつにこんな思いさせちゃうんだろうか

やっぱり 私は あいつの側にいちゃいけないいだ
あいつの前から いなくならなくっちゃ

雑草つくし もう そんな風に言えなくなっちゃった
あいつに会ってから 私弱くなったみたい
あいつの優しさに甘えて どんどん弱くなってる

でももうそれも 終わりにしないと

ベットの下からボストンバックを引っ張り出すと
身の回りの簡単な物だけ詰め始めた

明日会社に辞表を出そう
そして あいつの前から 消えなくちゃ

ずっと側にいたい お前と一緒にいたいと言ってくれた道明寺
でも 私が側に居ると またあいつを悲しませそうだから

強引だった彼の行動 なのに こんなに彼の事が 好きになるなんて 思っても見なかった
そう思うと また涙が溢れ出してきた

この部屋を出て 新しい生活を始めよう
いつか 道明寺も 私が勇樹の事を忘れたように 時間が経てば
忘れるだろう


ドアを閉める時も つくしは振り返らなかった
振り返ったら また過去へ逆戻りしそうだから
道明寺との思い出は この部屋に残していこう



牧野の部屋を後にしても 司はすぐには帰ろうとはしなかった
携帯を取り出して 類を呼び出そう 
あいつが何か知っているかもしれない

いつものバーで待っていると 類はやってきた
「司 どうしたの 久しぶりだね」

いつになく静かな司を見て 類は
「牧野と喧嘩でもしたの」

「なぁ~~類 牧野の事で聞きたい事があるんだけど」
グラスの酒を飲み干しながら 司はぽつりと聞いた

「牧野がどうかしたの 最近は会って無いけど」
司は 今日の出来事を話して聞かせた

暫く考えていた類は 「以前街でばったり会った時も 牧野の様子がおかしかったな 手にアザがあったし 暗い顔してたし」

司は そんな話は初耳だった
「それ いつの事だ お前なんで 言わなかったんだよ」

「ひと月くらい前だよ その日司に電話したけど 司出なかったから すっかりその後忘れてて」

「手にアザがあったって なんか理由言ってたか」

司がこんな風に 女の事で必死になっている
本当に 牧野の事が 好きなんだな~

「ドアに挟んだって言っていたけど 違うと思う あれは強く誰かに捕まれて出来たアザだと 司 牧野会社で いじめられてるんじゃない」

もしそれが本当なら 俺は なんてバカなんだ
あいつの側に居ながら 何にも気づかないなんて

いつか 屋上で聞いた 鳥みたいに自由に何処かへ行きたい
あの言葉は 会社に居るのが辛いからなのか

「類 俺どうしたらいい あいつに 側に居て欲しくて
秘書課に移動させたけど その事で あいつが 辛い目に遭ってるなんて」

「司 もしそうなら 君が守ってあげればいいんじゃない」

司は 思った どんな事があろうと 俺が牧野を守る
類は 司のそんな気持ちが 良く判っていた
今まで どんな女性にも心を開かなかった司
司をこんな風に変えたのは 牧野が初めてだった
司の 初恋









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