☆f4♪LOVE アンクミの徒然日記

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キラとの出会い




その日零と達也はバスケの試合を見に行く途中だった
相変わらず零は先日付き合った女性の話しで 一人盛り上がっていた
呆れたように 達也は生返事を返していた

「零 少しは真剣に女性と付き合ったらどうだ」
何度このセリフを零に言った事か 零は心外だとでも言うように達也に向き会い「俺はいっだって真剣だぜ」

その時傍にいた女性に気づき 達也が零に知らせようとしたが間に合わず ぶつかってしまった

女性の手にしていたバッグが弾みで 地面に落ちてしまい中身がそこら中に散らばってしまった

その女性は小さく「あっ!」と声をあげ ひざまずくとこぼれ落ちた物を探し始めた

その仕草に二人は驚いた その女性は地面をまさぐるようにしていたからだ

その時初めて 女性の傍に白い杖がある事に気づいた 彼女は目が見えないのだった

慌てて二人は 落ちた荷物を拾い集め出した

「済みません 大丈夫ですか?零お前がふざけてるからだぞ」

達也の顔に向かって「俺のせいかよ!」零は声に出さず口だけ動かして言った

「はい・これで全部だと思います 本当に済みませんでした」
バッグを女性の手に渡す

「有り難うございます 私もボンヤリしていたのが悪いんですから 気になさらないで下さい」

その時バスが3人の傍に停車した「私これに乗りますので さようなら」
そう言って彼女はバスに乗り込んで行った

零と言えばじっと彼女を見たままだ バスが行ってもまだ見ている 「零 行くぞ 試合始まっちゃうぞ」
「ああ~~んっ」ようやく達也の声に我に帰った零

歩きかけた時 歩道の下に黒い物があることに気づく
拾いあげると それは学生証だった
『聖バレンタイン音楽学院 麻生キラ』と記されていた

『麻生 キラ』彼女麻生キラって言うんだ
達也が零の様子に気づき「零 何見てんの」
手にした学生証をヒラヒラさせながら「彼女の学生証 拾い忘れたみたい」

「今から追いかけるのも無理だしな~~明日にでも届けてやるよ」その顔を見ていた達也が 「お前下心見えみえだぞ 彼女目が見えないんだぞ 遊びなら止めておけよ お前ホント節操が無いんだから」

「節操が無いってどう意味だよ 俺は何時だって女性とは真剣に付き合ってるぞ 俺お前に手出した事無いだろ」

その言葉に達也が こいつには何言っても無駄だという顔をして見せた


こうして キラと零は出会うのである



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