2004年06月10日
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カテゴリ: 旅行
大分に行った時のこと。

大分空港から ホバークラフト とバスを乗り継いで大分駅に到着。
帰りは福岡空港からなので、ここから博多行きの電車までの時間が大分に滞在できる時間だ。
時刻表を見ると博多行きは結構な本数が出ている。
博多から福岡空港までの地下鉄は本数も多いので気にする必要はないだろう。
多少の余裕を見てこれに乗れば間に合うという列車だけ確認して、切符は乗る前に買うことにする。

市内を歩き回るのに不要な荷物を整理する。
椅子がたくさんある待ち合い室があるのがうれしい。


小さい方のロッカーに入れようとしたが、荷物が多くて入らない。
ロッカーも大きめの400円の所にして、荷物を入れる。
お金を入れて、鍵を回す。
ガチャッと言う音がしたときに、傘を持っていないことに気づいた。
あの荷物の中に、緊急用の小型軽量三段傘と、大きめの折り畳み傘があるのに。
あーなんてアホな私。

次に取りうる選択肢は二つ。
一つは、ロッカーを開けて傘を取り出し、もう一度400円を払う。
もう一つは、旅のお土産と割りきって、傘を買う。
私は、後者を選択した。

雨が降る大分駅から店のありそうな方へ向かう。

程なくココストアを発見。
傘を置いていないかな、と外からのぞいてみたがなさそうだ。

ふと見ると、隣のおばさんも同じようにコンビニの中を覗いている。
おばさんと目が合った。「駅はここですか?」
えっ?ここはどう見てもコンビニなのだが....


駅の方向に向かうおばさんの足取りはしっかりしているが、動作がたよりない。
持っている杖は盲人用の物ではないが、うちの母が目の手術をする前のような動作。
目が悪いようだ。それならコンビニを駅と間違えたのも理解できる。
こうなると放っておくわけにはいかない。
おばさんと一緒にふたたび大分駅まで戻る。
「あんたに会って良かったよ、昔来たことがあるんだけど」
「あんたもこっちに来るわけじゃなかろうに」
とか話をしながらも、「ここかね」と言った場所はまだお土産売り場だった。
「ここを曲がった所ですよ」と説明しつつ、おばさんの足取りにあわせて数十メートルさらに歩く。

「...へ行きたいんだけどね」と言われても判らなかったが、おばさんは運賃を覚えていた。
大分駅は改札口の一方にしか券売機がない。
改札口の前を一旦通りすぎて、自動改札機の前に案内する。
駅員、困っている人がいるのに気付けよ、と思ったが、私が近くにいる限りは大丈夫なんだから、気づかなくても仕方がない。
おばさんは、お金は出せたけど私の方を見ているので、お金を受け取り、私が切符を買う。
私が案内できるのはここまでだ。
自動改札機も通れそうにないので、さっきの駅員さんにと声をかけて後を頼む。
駅員さんは、おばちゃんから行き先を聞くと、一緒にホームまで案内していったようだ。
これで電車には乗れるだろう。

困っている人のお手伝いができて、少しいい気分になって大分市街観光に向かった。
このとき、今度は私が助けてもらう番になるとは考えてもいなかった。
(つづく)






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最終更新日  2004年06月26日 21時15分34秒
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