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ルイの下に向かうはずの俺の脚は完全に止まっていた。
「くっ ・・・・」
かみしめた唇から 血が流れ落ちる・・・
( ジョーカー
待ってろ 今助けてやるからな・・・)
それが 不可能なことだと分かっている。。
(ざけんじゃねぇーー!!!)
胸にかけぬける激情が その結論を結ぶ事を許さない。
ゆっくりと 俺はヤツの方向に向かっていた。
ジョーカー
を 漆黒の角に突き刺しながら
ヤツは どす黒い舌を使い 滴る血潮
を舐め上げていた。。
ぞろり・・・ ぞぶり・・・
ジョーカー
をいたぶる姿に 俺の中で何かが弾け飛ぶ・・・
ルイ
の為に 教官をぶちのめした時と同じだった。
「きっ・・・さま・・・・ ガタガタにしてやんぜっ!!!」
俺の叫びが届いたのか かすかに ジョーカー
が動いた。。
口元は鮮血があふれている。
独り言をつぶやく様に ジョーカー
が喋り始める。
「シン く・・・・・くる・・な ・・・・これ以上私に・・借しを・・つくら・・・いでくれ」
「も・もう・・・一度・・・命をすくって・・・も・・らった・・・」
「喋るなっ!! もういい!! 今助けてやる!!!」
「・・・・シンッ!!!! いい・・か・・よく聞・・け!!!」
ジョカー
は叫ぶと 同時に 大量の 血の塊
を吐く・・・
「わた・・し が こいつ・・の うご・きを・・・とめ・る」
「おまえは・・・おま・えの し・ごとをしろ い・・いなっ!!!!」
命をかけた懇願だった。。
「あぁ 依頼はきちんと果たしてやるぜ!!!」
返事を聞いた ジョーカー
の顔は一瞬微笑んだように見える・・・
瞬時に ジョーカー の真意を理解し 狙撃に必要な距離をとりはじめる。
極限までダメージを負っていた リュウ
も最後の力を振り絞り 大剣を抜き放った・・・
焦点を失いかけていた ジョーカー
の瞳が 俺達の決意を知り
今一度 猛炎のごとく怒りの色 を浮かばせ始める。
ジョーカー
は 自由になる右手を頭上に掲げ ハイフロストエッシ
゙を逆手に握り直した。
ヤツの眉間目掛け 一気に振りかぶる!!!
( レジ
私に力をくれ・・・・・・)
「でやぁぁ~~~っ!!!!」
轟!!!
黒褐色の剛毛に覆われた眉間に 刀身の半ばまでめり込む。
黒に近い鮮血 が一気に噴出し 飛沫を撒き散らせながら ヤツは強烈な咆哮をあげた!!!
グォォォォォォオ!!!!
苦悶の叫びをあげながら 足掻きはじめる。
歴戦の勇士である リュウ が その一瞬の隙を見逃す事はなかった・・・
ジョーカー
の陰から ヤツの死角へと一気に踏み込む。
踏み込む速度を落さぬまま 全体重と遠心力を同時に加えた渾身の一撃を
眉間に露出する ハイフロストエッジ の柄に叩き込んだ!!!
「破っ!!!!」 リュウ の 裂迫の気合
フロストエッジの柄は 弾け飛びながらも 刀身はさらに深く潜り込む!!!
グクゴェオオオ・・・・ オオオ
断末魔の叫び声があがった
「仲間の仇ぃぃいぃ!!!!」
間髪をいれず ジークムント を ヤツの角めがけて斬りおろす。。
最初の一振りから 肉体の限界を超えた斬撃は 大剣のスピードを遥かに凌駕し
ジークムント
がもつ すさまじいまでの切れ味と相俟って カミソリの様な鋭さを帯びた・・・
微かに 破砕音が響く
ジョーカー を 突き刺したままの巨大な尖角が ゆっくりと根元からずれていく・・・
ガ・ガ・ガ・・グォォオ・・・・・ KA KK
ヤツの動作は緩慢になり 徐々に動きが止まりはじめる。。
「シンーーーーッ!!!!!!」
リュウ
の叫びも ヤツと意識を同調させはじめていた 俺の耳には届かなかった・・・
続く・・・・