田中およよNo2の「なんだかなー」日記

田中およよNo2の「なんだかなー」日記

PR

プロフィール

田中およよNo2

田中およよNo2

カテゴリ

コメント新着

ミリオン@ Re:酒の四連荘(06/25) こんばんは。 勉強頑張っていますね。応援…
ミリオン@ Re:真面目に欧州選手権(06/24) こんにちは。 イタリアは素敵ですね。行く…
ミリオン@ Re:旅がしたいっ!(06/23) こんばんは。 飲み会がありましたね。応援…
ミリオン@ Re:映画の見方(06/22) こんばんは。 映画は面白いですね。見るの…
2005年05月25日
XML
カテゴリ: 硬派
薬指。

中指、人差し指、親指。

彼女の指が僕の眉毛に順々に触れていく。。
眉毛を越えた後、顔の輪郭を各々の指でなぞった。
まるで、砂に指で文字を書くように。

僕は深く落ち着いた。
完全なる安堵、というものがあるとすれば、あの時間のことなのだろう。

小指。

一通り顔の輪郭をなぞると、彼女は両手で僕の顎の骨格を確認した。


「またぁ。髭ちゃんとそれてないよ」

僕は鼻だけで笑う。
「濃いから伸びるんだ。もう夕方だし」
「髭の濃い人って情があるんだって」

そんな、彼女はもういない。

真夜中に目が覚めたときなど、僕は誰かに顔をなぞって欲しくなる。
でも、もう誰にもなぞってもらうことはないだろう。
なぜなら、僕は彼女以外になぞってもらいたくはないからだ。

彼女ではない誰かが僕の顔をなぞる。
すると、彼女を思い出す。

久し振りに悲しくて、涙を僕は止められないだろう。

目次・◎ドキドキ 』まで





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年05月25日 23時35分26秒
コメント(6) | コメントを書く
[硬派] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: